◇ 腰抜けめ ページ2
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フィールドで練習を始める雷門イレブン。
マックスが染岡にパスを出し、染岡が壁山に真正面から向かっていくとなにかに怯んだ染岡がマックスにボールを返した。
「どうした染岡？」
「；いま、壁山が巨大に見えた…」
「デカイのは元からっす…；」
「ナイスディフェンスだったじゃん壁山〜！」
「壁山！Aの言う通り今のディフェンス、凄い気迫だったぞ！！」
「へへ、そうっすかぁ〜///」
そして、次のシュートは豪炎寺。
半田が豪炎寺に高めのパスを出し、豪炎寺が飛んでそのボールを受け取ろうとした瞬間…ひとつの人影にボールを奪われた。
その人影が着地し、その身に纏うユニフォームを目に入れたAは目を細める。
円堂がゴール前から叫んだ。
「誰だ！」
「…オマエに名乗る名は無い。」
冷たく言い放ったその男は、次いでニヤリと笑い豪炎寺へボールを蹴る。
そしてボールを手で受け取った豪炎寺を指さした。
「豪炎寺修也！俺と勝負しろ。」
「なに？」
「噂は聞いてるぞ。天才ストライカーなんだってな。
俺は戦国伊賀島の霧隠才次。」
円堂に先程あんな言葉を放っておいてのこの言葉に壁山も「思いっきり名乗ってるっす」とツッコミが入る。
「俺も足には自信がある。どっちが上か、決めようじゃないか？
ここからフィールドをドリブルで往復して速さを競う。簡単だろ？」
「断る。迷惑だ。」
「なにっ…逃げるのか？腰抜けめ！」
その言葉に、ゴール前にいた円堂が憤慨した様に叫ぶが霧隠はお前には言っていないと一蹴りした。
「仲間を馬鹿にされて、黙ってられるか！よし！その勝負、俺が受ける！」
「冷静になれよ、円堂！ここは相手にしない方がいい。」
そう円堂を諭す風丸だが、観客席に来ている後輩の宮坂が目に入った。
「…一番足が早いのは俺だ。俺がやる！」
「風丸、お前…今相手にするなって、自分で…」
そう拗ねた様な顔をする円堂を見てAは苦笑いをする。
だが、いつも冷静な風丸が挑戦に受けるとは少し意外だとも思った。
「誰だ？お前は…」
「お前に名乗る名はない！」
「なっ、」
「いいな？」
「…面白い。叩きのめしてやるよ。」
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2024年1月3日 22時
