◇ 忍者サッカー ページ1
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「俺達の一回戦は明日に決まった。対戦相手は『戦国伊賀島』だ。」
「開会式で、最初に入場したチームか…」
円堂の言う通り、戦国伊賀島という中学はこの前のフットボールフロンティアで最初に入場したチーム。
そのチームと初戦で雷門は当たった。
「皆、今日はゆっくり休め。ベストコンディションで試合に望むんだ！」
「「「はいっ！！」」」
＊＊＊＊
試合当日。
雷門のいる控え室に円堂の疑問符を飛ばした声が響く。
「忍者？」
「ええ、秘伝の忍術を使って選手を鍛えているという噂です！」
春奈が言うには、戦国伊賀島の監督は忍者の末裔らしい。今までになかった様な情報に雷門イレブンも困惑気味だ。
「忍術で鍛えるって……」
「いったい、どんなサッカーをするんすかねぇ…」
「それが…、よく分からなくて…」
「いいさ！どんなチームだってサッカーをすることには変わりない！今まで通り、真正面からぶつかっていこう！
『炎の風見鶏』チャンスがあればバッチリ決めてくれよ！」
「まかせて〜」
円堂に笑みを向けられ、Aは親指を立てながら笑い、風丸は頷きを返した。
その時、控え室に秋が入室する。
「皆！練習時間よ。…！夏未さんからのメールだわ。」
秋の携帯が着信を鳴らし、その送り主はこの場にいない夏未だった。
「『雷門イレブンの皆へ
大事な全国大会の試合の最初なのに、マネージャーの役目を果たせなくてごめんなさい。
でも私は勝利を信じています。
必ず勝ちなさい、これは理事長の言葉と思ってもらって構いません。』」
「応援なのか命令してるのかわからないでやんすねぇ…」
「ま、いかにも雷門夏未ってメッセージじゃない？」
素直じゃない友達の女の子の様子に、Aはくすりと笑いみんなに笑いかけた。
「この期待に応えなきゃね。」
「よーーーし、絶対に勝つぞーーーー！！！」
「「「おーーう！！」」」
気合いの声を上げるみんなの傍ら、風丸は決意した表情で靴紐を結び直す。
その時、肩をぽんと叩かれた。
「！A…」
「そう険しい顔しないの、サッカーは楽しむもんでしょ？
…勝とうね。」
「…おう！」
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2024年1月3日 22時
