音の波紋を、雷へ。第三章【イナズマイレブン】 (ページ46)

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◇ 宮坂ページ46

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理事長はそう言うと、徐にボールを取り出す。
そして円堂達がそちらに顔を向けると、理事長は綺麗なリフティングをしていた。

「やる〜！」

「なかなかのもんだろう。こう見えても昔からサッカーが好きでね。」

だがそのバランスを崩し、そのボールが円堂の顔面に当たってしまった。

それに苦笑いした理事長は気を取り直して続ける。

「ところで、これからは部員が増えてくる事も考えてここはもう狭いのではないかね？」

「そう言われれば……」

「確かにここは懐かしい。しかし、いつまでも古い物に拘っていても仕方なかろう。新しい部室を用意したいのだが、どうかな？

サッカー部復活のお祝いと全国大会出場のご褒美と思ってくれたまえ。」

その提案に一年生は嬉しそうに声を上げる。だが、その声を遮るように、ポツリと声を零したのは円堂だった。

「…俺、このままでいい。」

「「「えぇーーー！」」」

「この部室は、試合も出来なかった頃の俺達の事も、昔イナズマイレブンの事も皆知ってる。

それに、こうして仲間も増えてきた。この部室は雷門イレブンの歴史そのものなんだ。

俺たちの大事な仲間なんだよ！」

円堂の言葉に、染岡と風丸は声を上げる。

「円堂の言う通りかもしれないな…」

「この部室に、全国優勝のトロフィー飾ってやろうぜ！」

そして、一年生達も同意した。

「キャプテン、分かったでやんす！」

「俺達もこのままでいいです！」

「皆……ありがとう！」

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そして、グラウンドに向かう雷門イレブン。
その途中では雷門の生徒が応援してくれ、この前までの馬鹿にされていた様な雰囲気はまったく無かった。

「風丸さん！」

グラウンドに向かう途中、少し高い声で風丸が呼び止められる。その声の主は陸上部の宮坂という男だった。

「どうしたー？風丸」

「先に行っててくれ。遅れていくから。」

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