音の波紋を、雷へ。第三章【イナズマイレブン】 (ページ17)

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◇ 鬼道有人の憧れページ17

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円堂は帝国との練習試合で特に攻撃され、ボロボロにされた。それをなんとも思ってないように軽快に笑う様子に鬼道は呆然とする。

だが、やがて笑みを浮かべた。

「…そのうちな。…、彼奴がお前のサッカーに惹かれたと言った理由、少し分かった気がするよ。」

「？彼奴って？」

円堂の問いに答えは帰って来ず、鬼道は早々と去っていく。
「きっとだぞーー！約束な！」と円堂が声を掛けると、背を向けたまま手を振っていた。

そして去る途中、ちらりと河川敷を見た。
その瞬間Aと目が合ったのは気のせいでは無いだろう。

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鬼道邸にて。

「サッカーにおいて司令塔であること、これは多くの系列企業を束ねるお前の父がやっていることのシュミレーションだ。

戦略を考え、思惑通りに選手を動かす。判断を誤れば敗北に繋がる。

…雷門の神童だってそうだろう。」

「…！」

「お前は勝つことで、鬼道の名を継ぐのに相応しく成長していくのだ。」

自身の憧れた選手の名前に、ピクリと眉を動かす。

鬼道がAの事を知ったのは小学生の頃だった。
自分と同い年、そして女子で有名な選手がいると知りその時はただの興味だったのだ。

そして、実際の試合を見た時、それは感動さえも覚えるものだった。

選手の足を導くように描かれる光
そしてあまりにも滑らかに進むタクト
その中心にいるのは、神童Aだった。

いつしか、鬼道の中でAは憧れという存在になっていた。

雷門との練習試合も、無意識にその姿を目に入れていた。
相変わらずのカリスマ性で雷門を勇気づけた姿は、初めて見た時となんら変わっていない。