◇ スパイ ページ12
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「ええ、知りたくもないね、そんなこと。」
悪びれもなくそう言う冬海に、吐き捨てるように返すA。
そして夏未が冬海に鋭い声を放った。
「貴方のような教師はこの学校を去りなさい。これは理事長の言葉と思ってもらって結構です！」
「クビですか、そりゃあ良い。いい加減こんなところで教師やってるのも飽きたところです。
しかし、この雷門中に入り込んだスパイが私だけだと思わない事だ。」
冬海はニヤリと笑い、その人物に声を掛ける。
「─────ねぇ、土門くん？」
皆が驚愕し一斉に土門の方を振り向く。
その表情は疑心に満ちていて、一度持った疑いは中々消えない。
「そういや、帝国学園にいたって…」
「そんなのアリかよ！」
「土門さんヒドイっす！」
皆がザワつく様子を呆然と見守っていた土門だが、その前に円堂が現れる。
そして皆に訴えかけた。
「馬鹿なこというな！今まで一緒にサッカーやってたじゃないか！その仲間を信じられないのか！
俺は土門を信じる。な、土門！」
「円堂…、冬海の言う通りだよ。ッわりぃ…！！」
そう言い、走り去っていく土門。
呆然と見詰める円堂に、夏未が先程の手紙を見せる。
「この字は…土門の字だ！」
新たな事実に驚愕する雷門イレブン。
昔馴染みである秋が追いかけ、円堂も追いかけた。
「…私、土門のこと信じるよ。」
「A……」
「さっきの手紙もそうだけど、私見たの。土門が部室にあるイナビカリ修練場のデータ取ろうとして…何か躊躇うようにしまったの。
嫌だったんじゃないのかなぁ、雷門のデータ渡すの。」
Aからの言葉を聞き、どうすればいいのか分からず俯く雷門イレブン。
一年生なんて特にいきなりスパイなんて言われたら戸惑うだろう。壁山は悲しそうに「土門さん…」と呟き、それを耳にしたAが優しく笑った。
「皆も薄々わかってるんじゃない？少なくとも、雷門イレブンとして試合に出てた土門は嘘なんかじゃない。アイツも私達と同じサッカーが大好きなんだってさ。」
「…そうだな、土門はプレーで俺達に嘘なんかついたことなかった。俺も土門を信じる。」
豪炎寺の言葉を皮切りに「俺も」と次々声を上げていく皆。
それを見たAは笑みを浮かべ皆に声をかけた。
「私達は練習しよ。土門は絶対に戻ってくるよ、彼奴も雷門イレブンの一員なんだからさ。」
「ああ！」
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酢味噌 - とっても面白いです！！更新頑張ってください！ (12月28日 23時) (
レス) @page36 id: 508422f3b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2023年12月21日 3時
