音の波紋を、雷へ。第三章【イナズマイレブン】 (ページ11)

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◇ バスの細工ページ11

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「ほらパスパス！！」

影野からのパスを受け土門は上がっていく。
昨日より、何だか吹っ切れた様子に秋は嬉しそうに顔を緩めた。

「────バ、バスをですか！？」

練習中、突然聞こえた大声に雷門イレブンはそちらへ顔を向ける。そこには夏未と冬海がいて、どうやら声の発生源は冬海のようだ。

「いきなりそんな事を言われましても…私は大型免許を持っていませんし…」

「それは問題ありません。校内は私有地ですから、免許などいりませんわ。それにちょっと動かして下されば良いだけですし…」

「しかし…」

「あら、断る理由は無かったんじゃなくって？」

口篭る冬海を一刀両断する夏未。
そして車庫にあるバスを動かすことになり、雷門イレブンも疑問符を浮かべながら移動した。

冬海は運転席に座っているが、その表情は何処か硬い。
夏未に促されるが、車は発進しないままだ。

「あれ？おかしいですね。バッテリーが上がっているのかな」

「ふざけないでください！！」

夏未の鋭い声に冬海は怯えながら返事をする。
そしてエンジンを掛けた。

そして出発する、と思われたが「出来ません！」と言いハンドルに顔を埋めた。
その様子に夏未は一枚の手紙を取り出す。

「ここに手紙があります。これから起きようとしたであろう、恐ろしい犯罪を告発する内容です。

冬海先生、バスを動かせないのは貴方自身がバスに細工したからではありませんか？この手紙にあるように！」

夏未に問われ、何も言い返せず顔を伏せる冬海に円堂と半田は唖然と呟く。

「ホントかよ…」

「嘘だろ…？」

「答えてください！冬海先生！」

冬海は突然、笑い声を上げる。

「ハハハハハ…そうですよ、私がブレーキオイルを抜きました。」

「何のために！」

「あなた方を、フットボールフロンティアの決勝戦に参加させない為です。」

「貴方方が決勝戦に出場すると困る人がいるんです。その人の為に私はやった」と笑いながら告げる冬海に、Aの鋭い声が掛かる。

「帝国の学園長でしょ？」

「！」

「帝国のためなら、生徒がどうなってもいいと思ってるのか！？」

Aの問いかけに、図星だと言う様に肩を揺らす冬海に豪炎寺の鋭い声が投げかけられる。

「君たちは知らないんだ…！あの方が、どんなに恐ろしいかを…」

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