◇ 御影専農戦 12 ページ47
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今までの機械のようなサッカーでは無く、人間らしくなったサッカー。
その様子にAは面白げに、どこか優しさを含んで目を細めた。
「サッカーサイボーグが、ただ単純に貪欲に勝利を求めるサッカー選手になったわけね…やっぱサッカーって何が起こるかわからない」
「ま、それが楽しいんだけどね」と呟きながら自身も応戦する為に向かうA。
円堂もゴール前でにっと笑い拳を握った。
「面白くなってきたぜ……！！」
一進一退。
シュートを放たれたら止め、
奪われては奪い返し、
シュートを放っては止められる。
〈御影のサッカーがガラリと変わったーーー！白熱とした展開だァ！！両キーパー一歩譲らない！！〉
ボールを受け止めた円堂はボールを握りしめ、前線へ上がっていく二人へ投げかける。
「決めろ！A、豪炎寺ーー！！」
「行くよ！！豪炎寺！」
「オウッ！」
「来いっ！！！」
Aは右足に光を、豪炎寺は左足に炎を纏い飛び上がる。
正にシュートが放たれる瞬間下鶴が二人と同じ高さに飛び上がり、迎え撃つように足を挟んだ。
「「──────……！！」」
「改ーーーー！！！」
「ぐあぁああ…！」
「うわっ……！！」
迎え撃った下鶴は勿論、妨害をされたAと豪炎寺も体制を整える間もなくフィールドへ身体を落としてしまった。
遠目でも勢い良く落ちたのがわかった円堂は、「A、豪炎寺！」と心配げな声を上げる。
「キャプテン……」
最後の力を振り絞るように、下鶴はヘディングで杉森の元へボールをパスし、力無く微笑んだ。
それを見て拳を握りしめる杉森。
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2023年12月10日 14時
