◇ ファイアトルネード ページ29
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ピンポーーーン！
話が通じたことに円堂は「よっしゃ！通じたぜ！」と喜ぶが、後ろで見守っていたメンバーは呆れ果てていた。
「この人達と会話してると脳が疲れるんだけど……」
「Aの言う通り、なんか疲れる奴らだな……；」
こめかみに指を当てたAが疲れた様に呟き、半田も頬をかき呆れたように同意する。
そんな間にも、勝負は始まる。
だが始まる前、Aはこっそり春奈に声を掛けた。
「春奈ちゃん、ちょっと橋んとこ行ってカメラで撮っててもらってもいい？」
「え？カメラ？」
「うん、これも何かの参考になるだろうし、一応ね。」
「そういう事なら…わかりました！」
ゴール前に立つ円堂と、下鶴が対面する。
「円堂！絶対に止めてくれよ！」
「頼みますキャプテン！」
「ああ！任せとけ！」
染岡と宍戸の声援に、意気込んで応える円堂。
勝負の為にユニフォームに着替えた下鶴はボールを足に止めながら「では始める」と声を掛けた。
「よし来いッ！」
ピィ −−−− ッ！
ホイッスルの音と共に走り出した下鶴。
そのままシュートするかと思いきやゴール前に来ると、ヒールキックで持ち上げボールを高く上げた。
それに疑問を持ったように皆は表情を変えるが、そのシュート体勢に驚愕に表情を変えた。
下鶴はシュート体勢に入る。
そう、雷門の誰もが見覚えのある体勢に。
「 ―――― �� ファイアトルネード �瓠�
「ファイアトルネードッ……！？っくそ！�� 熱血パンチ �瓠�！」
円堂も咄嗟に技で対抗するが、虚しくもボールはゴールへ入る。だが皆は、それよりも別のことに驚愕していた。
「ファイアトルネードだ……」
「そんな…、」
「どうしてアイツが……」
ストライカーとして豪炎寺の実力をよく知っている染岡を筆頭に、壁山、風丸が呆然としたように言葉を零す。
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2023年12月10日 14時
