◇ 次の対戦相手 ページ27
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「連中また増えてるぞ…」
「今日も必殺技の練習は無理でやんすねぇ…」
風丸と栗松が河川敷の橋を見ながらどこか呆れたように呟くが、壁山の背中を押していた円堂が笑みを浮かべながら話す。
「必殺技だけがサッカーじゃないさ。肩の力抜いて、みっちり基本練習だ！」
気合を入れたように言う円堂、だが気合を入れすぎて壁山のせを強く押しすぎていた。
すると突然、土門が声を上げた。
「おいっ、なんか変なのが来たぞ！」
その声に釣られて皆土門の向いていた方に顔を向けると、大型のトラックが二台ほど河川敷の上に止まっていた。
二台並んだと思えば、中が開きアンテナのような物が出る。
「偵察にしちゃあ、スゴすぎじゃね？」
「今度こそテレビ局でやんすか？」
「バカ、上にあるのレーダーだぞ？レーダー。戦争でもする気かよ……」
風丸、栗松、マックスが各々と感想を呟く中、円堂と豪炎寺、Aも駆け寄る。
円堂も疑問げに「なんだアイツら？」と口に出しそれにAが答えた。
「あれ、次の対戦相手だよ。」
「次の対戦相手？」
「そう、御影専農。」
Aが腕を組みながら淡々と答えると、春奈が「Aセンパイの言う通りですよ！」とパソコンを持ちながら声を上げる。
「私、データベース作ったんです。今までの記録とか、対戦するかもしれない相手の。それでピンと来て！」
円堂が春奈のパソコンを除くと、その画面には丁度トラックに乗っている二人が移されている。
御影専農のエースストライカーの下鶴改とキャプテンでゴールキーパー、杉森威だ。
「徹底的に観察する気でやがるぜ。やな感じだな」
「気にせずいこう。さあ、シュート練習だ！」
染岡は顔を顰めながらゴールの方へ向かい、豪炎寺も気にしないように言いながら呼びかける。
円堂も河川敷の上にいる二人を気にかけながら走っていった。
「ふっ！」
「よし次！松野！」
円堂が守るゴールへ順番とシュートしていく雷門イレブン。
そうして練習していると円堂が驚きの声を上げる。皆もそちらへ顔を向けると、上にいたはずの御影専農の二人がフィールドの線を超えてこちらにやって来ていた。
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2023年12月10日 14時
