◇ 野生中戦 05 ページ20
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「言っとくけど、ポジションを変えるつもりは無いからね。」
そう言った声に視線を向ける壁山。
その先にはAがおり、Aは壁山の側までやってくると肩に掌を乗せた。
「壁山、なんで私がキミにFWに上がれって言ったかわかる？」
「…？」
そう問いかけるが、答えが見つからずふるふると首を振る壁山。
それを見たAは笑みを浮かべながら、だけど真剣な色をその目に乗せながら言い放った。
「私ねぇ、無理なものは最初から信じないタイプなんだ。」
「え、…？」
「…今回の試合、壁山じゃなくて豪炎寺のワントップだったり私がFWに上がっても良かった。」
「けどそれをしなかったのは」と言いながらAは壁山の目線までしゃがみこみしっかりと目を合わせた。
「私が君のことを信じてるからだよ。他ならないキミの努力もね。」
「…！Aさん、」
「怖いって思うものは誰にだって沢山あるさ。自分にとって未知なるものだったり…過去だったり。壁山はそれが高い所だった、ってだけ。
でもさ、壁山はその怖いを超えようとしてずーっと努力してたじゃん。
それは私たちがいっちばん知ってるよー？
円堂の言う通り、努力は無駄になんかならない。
きっとイナズマ落としが成功する時、壁山の心がその努力に応えてくれる。
豪炎寺とキミがイナズマ落としを成功させるって、信じてる。」
「それが成功したら、他の試合で私ともイナズマ落とし炸裂させようね」と茶目っ気にウインクしながらAは微笑む。
「Aさん…でもオレ…」
「はーーーい、その言葉禁止ぃ〜」
「えっΣ」
「「できないって悩むより、どうしたら出来るか考えるんだ」…だよね？キャプテン！」
「A…ああ！壁山、俺達はずっと信じてるからな！」
「キャプテン…Aさん…」
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2023年12月10日 14時
