◇ 野生中戦 03 ページ18
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「壁山、キミFWに入って。」
「「「ええっ！！！？」」」
「ええええ！？；俺がっすか？！」
思わぬ奇策に、雷門イレブンも壁山も驚愕する。
「無理っす」と言葉を続けようとした壁山を、Aは真剣な声音で遮る。
「豪炎寺のファイアトルネードも、私のテンポ・ルバードも通用しない。染岡も怪我しちゃった今、ドラゴントルネードも使えない。イナズマ落としだけが得点を決めれる唯一なんだ。
キミが高所恐怖症なのも分かってる。けど、それぞれが個人技に特化している野生中を出し抜けるのはこれしかない！」
そして、壁山本人に混乱を残したまま試合再開。
〈雷門中、染岡に代わって土門が入りました。土門はDFに、そしてなんと染岡の代わりに壁山がFWの位置に上がっています！〉
「ちょちょちょ、ちょっと待ってくださいっすよぉ…俺が、FWって…；」
あまり気が強くない壁山に、攻めるということが仕事のFWを任せることは本人にとっても難儀だろう。
同じFWの位置にたっている豪炎寺が、背中を押すように声をかける。
「Aの言う通り、ドラゴントルネードが使えない今頼みの綱はイナズマ落としだけだ！」
そんなこんなで、野生中のスローイングで試合が始まる。
香芽がボールを受け取り、雷門陣営へ攻め上がる。
だがその前へ土門が立ち塞がった。
土門はニヤリと笑いながら相手を見据えていた。
「しゃーねぇ、いっちょやりますか！――― �� キラースライド �瓠�」
「「―――…！」」
「やるじゃんアイツ！」
土門の必殺技で円堂は喜ぶが、対照的に豪炎寺とAは眉を顰める。
二人とも、その土門の技は見覚えのある技だったからだ。
(あれは…―――帝国のディフェンス技！)
(たまたまテレビで見た、帝国の試合で出てた技とまんま同じじゃん…)
豪炎寺は去年、帝国学園と戦えてなかったとはいえ帝国学園は様々な場所で知られているため知っていたのだろう。
そしてAも。
帝国学園は全国最強と謳われているサッカー校だ。
試合映像もテレビ等で結構流れる。それを見た時にあったディフェンス技とまったく同じだったのだ。
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2023年12月10日 14時
