◇ 野生中戦 02 ページ17
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こぼれ球を足で止めた風丸は、悠然としている野生中を見て冷や汗を流した。
「あれだけ特訓したのに、これだけ差があるなんて…、」
そして、試合再開。
豪炎寺が攻め上がろうとするも、野生中の三人にチェックされる。
Aを見るが、そちらも二人にチェックされていてパスは出せなそうだ。
「豪炎寺ィッ！」
染岡がその隙に上がってパスが上がる。
「空中戦が敵わねぇなら、コイツはどうだ…―――�� ドラゴンクラッシュ �瓠�」
正にボールが放たれる瞬間、獅子王が染岡の前からグルグルと転がりながら迫って来てその勢いのまま染岡を吹き飛ばしてしまった。
「足首を捻ってる、試合は無理だわ。」
「選手交代しかないか…」
マネージャーの秋が染岡の足の様子をみて試合は無理だと判断を下す。
目金がベンチで、少しおどおどしながら土門に言い放った。
「ど、土門くん？キミにチャンスを譲ってあげるよ。決してビビってる訳では無いからね。」
バレバレである。
隣に座っていた影野も、目金の意見に賛成だと言うふうに頷く。
軽く笑みを浮かべたままの土門は、「チャンスねぇ」と呟きながら立ち上がってフィールドへ入る。
その様子を見守っていた半田が集合したみんなを見渡しながら首を傾げる。
「空いたFWはどうする？」
「Aがいいんじゃないか？この中で豪炎寺と並んで攻撃力があるのはAだろうし…」
「そうだな。じゃあA―――」
「いや、」
その提案で話が進んでいた際、本人がそれを遮る。
思わず雷門イレブンが皆Aへ視線を映すと彼女はそれを否定した。
「私のポジションはそのままで行く。」
「A…、！？て言う事は、豪炎寺のワントップって事か？」
「俺達はそれでもいいけど…」
「それも違う。」
円堂と風丸が顔を見合わせる。
豪炎寺だけはAに何か考えがあるのか、と彼女を見詰めていた。
そして次に、彼女が自然に捉えたのは―――
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2023年12月10日 14時
