◇ 野生中戦 01 ページ16
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〈いよいよ、フットボールフロンティア地区予選大会一回戦！雷門中学対野生中学の試合が始まります！〉
「どうか、イナズマ落としをやらなくて済みますように…」
グラウンドに響く実況の声を他所に、手を組みながら顔を青ざめさせながら話す壁山にやれやれとAため息をついた。
ピピ ＿＿＿＿ ッ！
試合開始。
野生中の監督が吠える。
それを聞いた野生中のキャプテンが雷門陣営へ走りながら声をかけた。
「他山先生が、この試合に勝ったらおやつ食べ放題だってさ！みんな、やるコケ！！」
今の監督の監督の吠えはおやつの合図かなにかだったのだろうか。正直、野生中の監督の名前と言い色々気になる所ではある。
だが今は試合だ、とAは顔を引き締めた。
風丸から染岡へパスが出され、染岡は豪炎寺へとパスを出した。
「野生中の実力、見せてもらおうか！豪炎寺ィッ！」
〈ゴール前にボールが上がったああぁ！豪炎寺、ファイアトルネードの体制！〉
豪炎寺は染岡が高く上げたパスに合わせファイアトルネードを打とうと体制に入るが、野生中のキャプテン鶏井が豪炎寺と同じ…否、それを容易に超える高さまで飛んできてボールを奪った。
「俺の技が…、！だったら―――A！」
野生中の反撃の中から、なんとかボールを奪った豪炎寺はAへとボールを渡す。
そしてAもシュート体制に入る。
(正直、打てるかどうか分からない。でも―――)
ボールを蹴り上げ、自身も宙に浮かびボールにクロスを描くように蹴りを入れる。
だが。
「テンポ・…―――ッ！！」
先程の豪炎寺と同じく鶏井が容易にAのいる高さまで飛び上がり、ボールを奪われた。
Aは女子特有の身軽さを生かして、豪炎寺等よりかは高く飛べる。
けれどそれでも容易に越えられたのは野生中がそういうのに特化しているからだろう。
「高さじゃ負けないコケッ！」
鶏井からFWの水前寺にボールが渡され、見た目そのものを表すようなチーターのような速さで雷門イレブンを抜き去っていく。
水前寺は大鷲にセンタリングを上げる。
「 �� コンドルダイブ �瓠� 」
そしてヘッドシュートで放たれたそれに円堂はそのまま反応して取ろうとするが、別方向から五利が必殺技を発動した。
「�� ターザンキック �� ！！」
予想外のシュートに、円堂は少し動揺するが熱血パンチで辛うじて止めた。
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2023年12月10日 14時
