◇ 高所恐怖症 ページ11
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現在は鉄塔広場で特訓中。
と言っても、今は鉄塔の高い位置へ赤いテープを貼り付け豪炎寺、それと壁山がそこまでジャンプ出来ているかどうか試している。
豪炎寺は華麗にオーバーヘッドキックを繰り出して着地するものの、壁山はそのまま飛び上がり少し着地が出来ていないようだ。
そしてAも、この技のメインは豪炎寺だが試合では何があるか分からない。
その為豪炎寺と同じ様に空中でオーバーヘッドキックを繰り出し着地した。
その一連の動きに、円堂は喜び、豪炎寺は関心した様に頷き春奈はうっとりと手を合わせた。
｢―――よし！これでイナズマ落としを蹴れる奴が二人だな！｣
「やっぱり、Aのオーバーヘッドキック綺麗だな。仲間ながらに尊敬する。」
「にひひ〜。女を舐めちゃいけませんよーだ。」
「A先輩、惚れ惚れしますぅ〜！！」
そして、秋が書いたチェック表を見ながら円堂は頷く。
「うん、壁山の着地は問題だけど…高さはじゅーぶん！あとは、実際に合わせてみるだけだ！」
円堂の言葉に豪炎寺は頷き、壁山に「行くぞ！イナズマ落とし」と声を掛ける。
対して壁山は、何処か曖昧に頷いている。
―――そして、合わせる事に。
Aが足にボールを止め距離をとって対面している二人にに声を掛けた。
「行くよ〜」
「おうっ！」
「は、ハイっす！！；」
豪炎寺は気合いを入れるように返事を返したが何処か変な様子の壁山にAは訝しげに首を傾げる。
「よし、――――――はぁっ！！」
Aの蹴ったボールが空中高くへと飛び上がる。
豪炎寺はそれを追うように高く飛び上がり、壁山も飛び上がる。
――― 本来なら壁山が踏み台となって豪炎寺の跳躍をさらに上げるつもりだったのだが、壁山は途端に怯えた声を縮こまってしまった。
豪炎寺は急なことに驚くが、なんとか華麗に着地した。
豪炎寺も円堂も、疑問を顔に浮かべている。
「壁山、お前…、」
「どーしたー？途中まで上手く行ってたのに…」
「壁山、キミもしかして高所恐怖症？」
「ハイ…たたた、高い所ダメなんす…怖いっす…」
「「「えぇーーー；」」」
「そんな事は先に言いなよ；」
Aが思い当たったことを問いかけると、壁山は怯えながら頷く。
部員達は更なる難点に、汗を浮かべた。
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2023年12月10日 14時
