◇ 土門飛鳥という転校生 ページ1
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「みんなああああ〜！！！わかってるな！！？」
「「「「おうっ！！！」」」」
「とうとうフットボールフロンティアが始まるんだ！！！」
「「「「おうっ！！！」」」」
自分で言葉に出してさらに実感が湧いてきたのだろうか、円堂はジーン、と感動している。
豪炎寺の隣で彼と同じように背を壁に預けているAは、その表情にくすりと笑う。
風丸が円堂へ対戦校はどこだと問うた。
「相手は……―――知らない！！」
物凄く真剣な表情だったので、皆が唾を飲み込む中、放たれた答えはある意味予想外なものだった。
これには一同ずっこけたり呆れて汗をかくものばかりだ。
その時、部室へ顧問の冬海がやってくる。
「野生中ですよ。」
春奈の情報によると、昨年のフットボールフロンティア地区予選決勝であの帝国と対戦しているらしい。
「初戦大差で敗退なんてのは勘弁して欲しいですね」と冬海は嫌味ったらしく呟く。
これにはAも眉を寄せた。
「ああ、それから……」
「チーっス！俺、土門飛鳥。一応DF希望ね！」
「君もモノ好きですね。こんな弱小クラブに、わざわざ入部したいだなんて。」
転校生らしき人物、土門は去っていく冬海を指さしながら「何あの人」と言うような顔をしていた。
どうやら秋と昔なじみのようで、秋が声を掛けると「あれ？秋じゃない！」と嬉しそうに声を掛けていた。
「とにかく！歓迎するよ！フットボールフロンティアに向けて、一緒に頑張ろう！！！」
「相手、野生中だろ？大丈夫かなあ？」
土門の手を握りしめながらブンブンと振り回す円堂に、土門も困惑する。
が、それとは別に次の対戦校の事を話し出した。
その様子に染岡は「なんだよ。新入りが偉そうに。」と呟くが本人は飄々と話し出す。
「前の中学で、戦ったことあるからね。瞬発力
機動力共に大会屈指だ。特に、高さ勝負にはめっぽう強いのが特徴だ。」
勝たられる強さに、一部は不安そうな顔をする。
怯える壁山に戦う前からビビってどうする、と叱責する染岡。
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2023年12月10日 14時
