乃木坂、欅坂、時々女優11

。。 ページ18

(西野)


　最近Aは演技指導の鈴木さんに呼ばれることが多い


　しかも、だいたいその場で指導するのではなくてなぜか裏に呼び込んでいる


　帰ってくるとAは引き攣ったような辛そうな顔をしてることが多い


　今日もお昼誘ったら鈴木さんに呼ばれてるって苦笑いしながら出ていった


　休憩は１時間あってすでに20分ほど経った だけどAは帰ってこない


　流石に心配で探しに行こうかなって思ったら鈴木さんがスタジオにきて、私の携帯が鳴った


　「A？ 大丈夫？？」


A「ッ ﾊｧ ゴホッ な… ゴホッ」


　「えもしかして喘息？」


A「ん…たすけっ…ゴホ」


　「Aどこいるの？口がしんどかったらライン打てる？」


　すると「に」たった1文字だけが送られてきた


山田「七瀬ちゃんバタバタしてどーしたの？」


　「あ、山田さん Aが発作出てるみたいで」


山田「え！ それってやばいじゃん！ 俺も行くよ！」


　「ありがとうございます」


　Aの鞄からいつものポーチを出して急いで2階へ向かう


　マネージャーさんは違うメンバーを迎えに行くって言ってたからとりあえずあとで連絡して、Aの発作は薬を吸引させる、あ、水も持ってくればよかった


　なんて考えながら階段を駆け上がり2階を進むとAが廊下で壁に寄りかかってるのが見えた


山田「Aちゃん！！」


　足の速い山田さんが先にAの元へ向かってくれた


　追いつくとAに急いで薬を渡す


　手が震えていてうまく吸えていないのでAの手を覆うようにサポートするとやっと吸えたみたい


　その間山田さんはAの背中を優しく撫でてくれていた


　何度か深呼吸をし、吸引が終わるとAはやっと発作が治っていた


山田「ちょっと待ってて？」


　そう言ってまたどこかへ走っていった山田さん


A「七瀬ほんとありがと…ッン」


　「倒れてたらどうしようって心配した」


　そんな話をしていたら山田さんがペットボトル片手に走って向かってきた


山田「Aちゃん嫌じゃなかったら俺トイレまでおんぶするからうがいしてきな？」


　「すみません ありがとうございます」


　山田さんは軽そうにAをおんぶしてトイレに連れていってくれた、そして歩くのがしんどそうなAをそのまま撮影している階まで移動してくれた

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