乃木坂、欅坂、時々女優9

。。 ページ19

(倉科)


　次は水族館の中のフードコートでのシーン


　ご飯を買ってお姉ちゃんを待っているけどいつになっても帰ってこないシーン


　そしてそのあと私はこの大きな水族館を走り回る


　先程と同様に監督から指導をされて本番が始まる


柚「お姉ちゃんまだかな？ ご飯冷めちゃうよ､､､」


　携帯で連絡を入れるんだけど、フリック入力をミスしてしまった


　「ごめんなさい！ もう一回お願いします！」


　顔をあげるとスタッフさん達の横で見てた恵梨香ちゃんが笑ってる


戸田「珍しい笑」


　「次のセリフ考えてたら打ち間違えちゃった笑」


　次のカットではミスすることなくスムーズに進んだ


　結局、もしお姉ちゃんが私と来たことを忘れて帰ってたらどうしようという表情をして走るシーンまで一発で終わった


監督「じゃあ、ここからは体力勝負だからよろしくね笑」


　その言葉通り周りをキョロキョロしながら何本も何本も水族館を走った


　ようやく監督のオッケーが出た頃にはヘロヘロ


戸田「Aおつかれ笑」


　「はぁっはぁ ありがとっ」


　恵梨香ちゃんも最初のワンシーンで何本も走ったって言ってたから多少は身構えていたけどこんなに走ると思わなかった


監督「ちょっと休憩入れようか笑 そしたら次のシーン行こうね」


　「ありがとうございます笑」


スタ「おつかれさまです！」


　「はぁ､､､ 息切れがすごい笑」


スタ「合計15本走ってました笑」


　「え！ そりゃぁしんどいわけだ笑」


　休憩を入れてもらえたおかげで息が整い体力が戻った頃に撮影が再開した


　次はやっとお姉ちゃんを見つけたシーンから


監督「安心した顔ね！顔大事だから！」


柚「お姉ちゃん！」


尚「あ、柚！」


柚「よかったぁ､､､」


尚「え、」


柚「どこか行っちゃったかと思った､､､」ギュｯ


　台本にはなかったけど感極まってハグしちゃった


尚「ふふ笑 どこにも行くわけないじゃん！」


柚「うん どこにも行かないでね」


　ご飯買ったらここで待っててねって言ったことをすっかり忘れてるお芝居を本当に忘れちゃったかのような自然な恵梨香ちゃんの演技で心がキュッとなった


監督「いいねぇー！ オッケー！」


戸田「いつまでハグしてんの笑」


　「だって､､､ 本当にどこか行っちゃいそうな顔してるから」


　今回の恵梨香ちゃんはとにかく儚くて消えそうだった

。。→←ドラマの撮影

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す