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「生まれ変わったら、英国紳士を夢中にさせる英国淑女になる絶対。ねぇ、これ以上テテペン増やしてどうするつもりなの?」
『ん?なんのこと?』
ソファーに座って呟く私にお風呂から出てきたばかりのテテは、意味がわからないと眉を寄せながら私の隣にやってきた。
ドライヤーしたのに、まだちょっと濡れてるのとか。ぴったりと身体を寄せて私の肩を抱き寄せ座るのもテテらしくて頬が緩む。
「テテの写真集見てた」
『あぁ、それね』
どのページを捲っても美しくてため息が出るほどの最高傑作に、湧き上がってくるのは、なぜか自分を卑下する不安な気持ちで。
「ねぇ!かっこよすぎる!!
こんなのみんな恋するじゃん!
ずるい!!美の暴力!
アミ達心臓麻痺で死んじゃうよ!」
頬を膨らませ声の大きくなった私を、ぷはっと笑うと急にすんと真顔になって立ち上がったテテ。
本棚から何かを手に取り持ってきたのは、私の写真集だった。
『そんなこと言うならさ言わせてもらうけどさ』
「えーなんか怖い。言わなくていい…」
『いや。ダメ!言わせて』
「………。」
持ってきた私の写真集を捲って私に見せてくるテテ。
『ヌナの写真集だってさ。聞いてないよこれは反則だよ。』
「ねぇ、英国紳士似合いすぎ」
『ちょっとちゃんと話聞いて』
「まって!今私のターンなんだけど…」
『だめ!ちゃんと聞いて。あんなえろい姿で撮っていいなんて俺、許してない』
「ほぉ許可してもらわないといけないのか。じゃあ私にも許可とってよ。王子様降臨じゃんあんな衣装反則。全部どれも綺麗すぎて無理。胸が痛い」
『それはなんか違くない?』
「違くない。全然一緒」
『だって俺は脱いでないよ』
「ちょっと待って。私だって脱いでないよ」
『見せすぎじゃん……おれのなのに…』
語尾が小さくなってしゅんと俯くテテ。
また唇尖らせて拗ねてるから可愛いなぁって彼の肩にこてんと頭を乗せた。
“お前らバカなの?”ユンギオッパが居たら絶対言われてた。
彼氏がかっこよすぎて嫉妬するとかよくよく考えてみれば、ただの惚気話でほんとバカすぎる。
でも、なんか久しぶりにテテの本音を聞けた気がした。
前はもっと嫉妬深かったのに、最近のテテは大人になったのかなぁ?って思うようにしてるけど
『ヌナの写真集俺が全部買い占めたい。他の誰にも見せたくない。』
「それ私も思ってた。一緒だね」
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作者名:ピノ子 | 作成日時:2023年2月7日 13時