♡ ページ13
.
俺だってもう限界だった。
きっとほんの少しだけヌナの方が早く絶頂を迎えただけ。
ひくひくと俺のを締め付けるその感覚に押し寄せてくる吐精感をぐっと堪えながら、力なく俺に凭れ掛かるヌナを抱きしめた。
照れ臭そうに俺に顔を見せてくれるのもどうしようもなく可愛い。
ヌナにそんな顔させるのは、俺だけだよね。
もっと俺だけを見て…
俺だけを感じて…
俺だけにしがみついて…
俺だけのヌナでいて。
俺の大きくなりすぎた愛が抱きしめ合って繋がってる時だけは、混じり合って対等になる気がするから。
だから、もう少しこうして繋がっていたいんだ。
そうは思っても、ヌナの中でびくびくと質量を増していく素直な俺のもの。体は正直だよね。
「じゃあこのままでいよっか」なんて言うヌナの言葉に自分が言ったのに、勝手に眉は下がってしまう。
「テヒョン」
『ん?』
「大好き」
ヌナのその言葉にじわじわと熱くなった。心も体も。
ヌナに返す言葉を探すけれど、かっこいい言葉なんて見つからなくて。
俺の想いを表すには全然足りない言葉しか出てこない。
『俺も大大大好き』
たった一言だけど、ヌナからの言葉は特別で。幸せだなって心が満たされる感覚に溢れる笑顔が隠せない。
見つめ合ってるとヌナの大きな瞳にじわじわと涙が滲んでキラキラ輝き始める。
『ぬな?』
「やだ、見ないで」
両手で顔を覆うその手を掴んで握れば、今度は俯いてしまうから。握っていた手を離して、ヌナの小さな顔を包み込む。
『悲しいの?』
「ううん。幸せなの」
『一緒だ』
その瞬間、ポロリと溢れた雫。
泣き虫なヌナ。
その泣き顔でさえも綺麗で愛おしい。
涙のあとを指で拭って、瞼にキスをひとつ。鼻先にもひとつ。
そして、磁石みたいに唇を合わせた。
繰り返される熱くて気持ちのいいキスにお互いの身体がまたゆっくりと動き出す。
「んっ、…あんっ、…ふぁ、あっ」
俺をぎゅっと抱きしめながら耳元でヌナの甘い吐息が漏れ出した。
俺もヌナを強く抱きしめながら何度も下から突き上げる。
「…やっ、あんっ……きもちい…」
.
286人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ピノ子 | 作成日時:2023年2月7日 13時