vanillaに溶けるキス…【TH】 (ページ2)

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だから今はとにかく、受け取った花束を玄関横にある棚に置いておもいっきり両手を広げた。

ふふって笑ったヌナがぽすんと俺の胸に飛び込んでくる。

会いたかった気持ちと比例するみたいにこれでもかってくらいに強くヌナを抱きしめれば。

「ちょっ、まって…いたい」

『ごめんごめん』

力を緩めてそれでもヌナをまだ離したくなくて、ヌナを自分の胸に抱きしめたまま会話をする。

『NY楽しかった？』

「うん。テテと一緒だったらもっと
　楽しかったよ。」

俺の腕の中、顔を上げて俺を見上げるヌナと目が合うから言いたい言葉を飲み込むことができた。

『そっか、よかったね』

そのまま見つめ合って引き寄せられるようにくっついた唇。

こうしてると不安な気持ちが軽くなる。

全部なくなるわけじゃないけど…。

だからもう一度。

ヌナの後頭部に手を添えて離れてしまった唇に想いを込めて深いキスをした。

ヌナと婚約してるからって安心なんかしてないよ。

俺はいつも嫉妬で狂いそうな自分と

闘っているんだから…………。

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