45話 ページ47
着替えを終えて部屋を出ると、そのまま不破様に手を引かれ目的地へ案内されることになった。a国に潜入していた頃からかなりおしゃべりだった不破様だったが、それは素の性格でも同じようで。「部屋の居心地はどうだ」「ベッドは固くないか」と度々質問されることとなった。
不破「はぁい、到着〜〜」
部屋を出てから数分後、不破様が足を止めたのは重厚な両扉の前だった。
足元に一枚木の葉が落ちていることや、扉の付近の床に少量ながらも砂が付着しているのを見るに、この先は訓練場か何かなのだろう。
不破「(名前ちゃんがウチでの初めての仕事は〜〜」
そこまで言いかけた不破様は、ガッと扉を勢いよく開いた。
途端に、春特有の爽やかで清々しい空気が廊下へ流れ込んできて。
差し込んできた陽の光に目が眩み思わず腕で目元を庇うと、その腕は不破様に捕まれあっけなくエスコートに利用されてしまう。
不破「みんなー、おまたせーー」
「なっ、新幹部様!?」
「また不破様は無茶振りをしたのか……」
『……不破様、』
不破「にゃは、驚いた?a国よりこっちの方が広いし綺麗やろ?」
確かに目の前に広がる訓練場は、a国よりもずっと手入れが行き届いている上にスペースも申し分ないほどにある。けれど、私が言いたいのはそれよりもずっと重要なことだった。
そう、人の上に立つ位の人ならばある程度は弁えていなければならない点を。
『訓練に私が参加をするという連絡はしていらっしゃらなかったのですか』
不破「………して…なかった気がする」
『…不破様』
不破「あー、えっと、あれやろ?あのー、小松菜!!」
『残念ながら正解は報連相です。報告、連絡、相談。』
不破「あっ、そっちか!ほうれん草ね、イカしてるよね」
『……』
a国に居る際は、不破様が変装していたことや交流がそこまで無かったからか解らなかったけれど…不破様はともするとかなり不思議な性格をしていらっしゃるのかもしれない。いつの日かも、このような会話をしているのを見たような気がする
不破「……えっと、だからあれよ、次からは頑張るって話!」
『そうしていただけると幸いです』
「報連相ね、覚えとかんと…」と小さく呟く不破様を見つめていれば、ちらほらと「不破様が報連相を覚えるなんて」という旨の言葉があちらこちらから聞こえてきた。…苦労、しているのだな
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猫のお餅( ・ω・ )(プロフ) - りょーーさん» そんな気に入ってくださるなんて…😭ありがとうございます、とても励みになります!! (4月4日 19時) (レス) id: 278cf1e01e (このIDを非表示/違反報告)
りょーー - 最近この界隈ハマったばかりなんですが、設定と世界観が癖すぎて…辛いです……これからもずっと応援してます!! (4月3日 23時) (レス) id: f52fe25127 (このIDを非表示/違反報告)
猫のお餅( ・ω・ )(プロフ) - Upa丸さん» こういうシンプルな声援も良いんだよな……真っ直ぐなその気持ち、めっちゃ沁みました!更新頑張ります! (12月20日 20時) (レス) id: a7af9d7ebe (このIDを非表示/違反報告)
Upa丸(プロフ) - 本当に大好きですーーー!これからも無理せず活動頑張ってください!! (12月20日 19時) (レス) @page39 id: 3c4a854e64 (このIDを非表示/違反報告)
猫のお餅( ・ω・ )(プロフ) - ??さん» ありがとうございます!頑張ります! (12月10日 18時) (レス) id: 6ee307290c (このIDを非表示/違反報告)
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