43話 ページ45
忙しすぎてキエェェェェェ
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スピーチは変に失敗をするでもなくつつがなく終わった。綴った言葉は至極平凡だったけれど、民衆の反応はいい方だったような気がする。
弦月「スピーチお疲れ様。葛葉が急な無茶振りなんてしちゃってごめんね…」
『いえ、この程度のものであれば然程問題はありません』
弦月「あ、そう?」
「こりゃ標的にされそうだな…」と何故か頭を抱えている弦月様にエスコートをされ城内へと入る。私の先にスピーチを済ませた葛葉様とその後ろで控えていた叶様と加賀美様の御三方は先に城内へと戻っていったらしく、私はこれから使わせていただく自室へ案内されるのだとか。
弦月「唯一の荷物のトランクだけじゃ物寂しいだろうからって、有り合わせだけどいくつか家具置いておいたからね。要らないのとか必要なものとかあったら明日あたりに教えてもらえれば大丈夫だから。」
『お気遣いありがとうございます』
弦月「ううん、むしろこっちこそありがとね。これからよろしく」
『はい』
弦月「…っと、着いた。ここが今日からAちゃんの部屋だよ」
弦月様が足を止めた前には、控えめながらも美しい装飾が施された扉が一つあった。扉の中央より少し上の部分には恐らく金木犀の花の模様が彫られており、それがなんとも言えない壮美さを醸し出している。
これが鍵ね、と手渡された金属製の鍵にも小さく金木犀が描かれていて、なるほどこれで判別しやすくしているのかと思った。花を彫ることで、上品な装飾になる上に鍵が遺失物として見つかったとしてもすぐ持ち主へと届けられるという訳か。
『…素晴らしい職人の技ですね』
弦月「あ、それ?綺麗だよね、ウチのお得意の職人が作ったんだ」
『なるほど』
弦月「さて、色々とあって疲れただろうし今日は軽く荷解きして寝ちゃいなね。ベットはもう整えてある筈だから。」
『いえ、何か少しは業務を』
弦月「寝てね?」
『……作業効率が』
弦月「いいからさっさとお風呂入って寝る‼︎いいね!じゃあまた明日!!!」
『っえ』
吐き捨てるようにそう言った弦月様は、思わず溢してしまった声に反応することもなく来た道を一直線に戻っていってしまった。……弦月様は意外と勢いで動くお方なのかもしれない
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猫のお餅( ・ω・ )(プロフ) - りょーーさん» そんな気に入ってくださるなんて…😭ありがとうございます、とても励みになります!! (4月4日 19時) (レス) id: 278cf1e01e (このIDを非表示/違反報告)
りょーー - 最近この界隈ハマったばかりなんですが、設定と世界観が癖すぎて…辛いです……これからもずっと応援してます!! (4月3日 23時) (レス) id: f52fe25127 (このIDを非表示/違反報告)
猫のお餅( ・ω・ )(プロフ) - Upa丸さん» こういうシンプルな声援も良いんだよな……真っ直ぐなその気持ち、めっちゃ沁みました!更新頑張ります! (12月20日 20時) (レス) id: a7af9d7ebe (このIDを非表示/違反報告)
Upa丸(プロフ) - 本当に大好きですーーー!これからも無理せず活動頑張ってください!! (12月20日 19時) (レス) @page39 id: 3c4a854e64 (このIDを非表示/違反報告)
猫のお餅( ・ω・ )(プロフ) - ??さん» ありがとうございます!頑張ります! (12月10日 18時) (レス) id: 6ee307290c (このIDを非表示/違反報告)
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