37話 ページ39
弦月「あ、社長たち来た」
葛葉「おせーぞーー」
加賀美「いや、集合時間前には来てますよね⁉︎」
そのまま手を引かれてやってきたのは、正門へと続く中央通路に佇む美しい装飾を成された黒塗りの馬車の前だった。もう葛葉様と叶様は中へ乗り込んでおり、弦月様が馬車の外で扉を片手に待っている様子で。
恐らく私と加賀美が戻るのを待ってくれていたのだろう。申し訳ないことをさせてしまった
『遅くなってしまい申し訳ございません』
弦月「大丈夫だって、社長が言ったように集合時間前には着いてるんだし」
『いえ、ですが弦月様を外で待たせてしまったので』
弦月「!…やっさしいなー、Aちゃんは。ありがとね」
『……?はい…』
ふと横を見ると、そこに居た筈の加賀美様はもう馬車に私の荷物ごと乗り込んでおり、此方へ手招きをして待っていた。あまりの手際の良さに唖然としていると、弦月様に手を取られあっという間に私も馬車内へと移ってしまった。
そしてそのまま座らされたのは、葛葉様と叶様の間。
『…あの、流石にこの場所は…』
叶「葛葉が隣だから流石にダメじゃないかって思ってるなら大丈夫だよ。本人きっての希望だし」
葛葉「ばっ、お前言うなって‼︎」
『本人きっての…』
葛葉「……いや、式典の時に…ハウル?だっけ、そいつと戦ってたから怪我してねえかなって」
弦月「絵に描いたようなツンデレなの面白すぎんだけど……っふ、」
葛葉「え、今貴方総統様を侮辱されましたかァ⁇この?2j3j国の総統を⁇」
弦月「いや、実質幹部代表じゃん」
葛葉「そーれ言われたら勝てねえんだわ」
目の前で繰り広げられるコントのようなやり取りをぼんやりと眺めていたら、ゆっくりと馬車が動き始めた。時間にもなったし、恐らくこれから2j3j国へと向かうのだろう。
叶「戻ったらかなり忙しくなるね〜、頑張らないと」
加賀美「とりあえず今日は帰ったらゆっくり寝ましょう…何だかんだで疲れましたし」
弦月「Aちゃんの部屋はもう準備させてるから、軽く荷物片したらお風呂行っちゃっていいからね」
『いえ、私は……』
叶「Aちゃん?」
加賀美「休みましょうね⁇」
『…ありがとうございます』
忙しくなるのであればある程度は睡眠時間を削ってもいいのではと思い断りを入れようとしたが、……御二人からの圧に負け頷いてしまった。…睡眠時間を1日削るくらい、よくやるから慣れているのだけどな。
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猫のお餅( ・ω・ )(プロフ) - りょーーさん» そんな気に入ってくださるなんて…😭ありがとうございます、とても励みになります!! (4月4日 19時) (レス) id: 278cf1e01e (このIDを非表示/違反報告)
りょーー - 最近この界隈ハマったばかりなんですが、設定と世界観が癖すぎて…辛いです……これからもずっと応援してます!! (4月3日 23時) (レス) id: f52fe25127 (このIDを非表示/違反報告)
猫のお餅( ・ω・ )(プロフ) - Upa丸さん» こういうシンプルな声援も良いんだよな……真っ直ぐなその気持ち、めっちゃ沁みました!更新頑張ります! (12月20日 20時) (レス) id: a7af9d7ebe (このIDを非表示/違反報告)
Upa丸(プロフ) - 本当に大好きですーーー!これからも無理せず活動頑張ってください!! (12月20日 19時) (レス) @page39 id: 3c4a854e64 (このIDを非表示/違反報告)
猫のお餅( ・ω・ )(プロフ) - ??さん» ありがとうございます!頑張ります! (12月10日 18時) (レス) id: 6ee307290c (このIDを非表示/違反報告)
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