おしえてあげます【国見英】 (ページ9)

今日:36 hit、昨日:2 hit、合計:5,703 hit

密会ページ9

．

買い出し帰り。岩泉とパンパンの袋を持って学校までの道を歩く。パンパンって言ってもそこまで重くはない。重い方は岩泉が持ってくれてるから。文化祭の買い出し係になってしまったが、割と楽しい。
放課後も土日も部活があるのだし、なりたくは無かったのだけれど、じゃんけんで負けた結果だ。仕方がない。春高も近く、岩泉は予定が詰まってると言うので部活の時間を削ってここまで来たのだ。ふう、と小さな溜息をつきながら歩く。
少しの沈黙が流れたあと、岩泉が口を開いた。

｢国見とはどうなってんだ｣
｢えっいきなりそれ聞く！？｣

突然のことだったので驚いてしまった。今！？買い出しから帰ったらわたしも岩泉も部活に途中参加するのに･･･！？岩泉なんて同じ部じゃん気まずくないの･･･！？
驚きつつも嘘は良くないので正直に答える。国見くんとはホントに何も無い。色々ハプニングがあるだけで、国見くんはわたしのことすきじゃないだろうし。

｢昨日、2回も間接キスしちゃったの……！｣
｢は？付き合ってないんだよな？｣
｢うん…、自分でも不純だなと思う｣
｢国見はお前のこと好きそうだけど…｣
｢なわけない、微妙に嫌われてる気もする｣

嫌われてる根拠はないけど。なんだか嫌われてる気がしてならないのだ。昨日だってちょこっと不機嫌だったし。シュークリームあげたら治ったけどまた間接キスしちゃったし。嫌われてる根拠もないのに嫌われてる気がするの、伊藤くんに片思いしてた頃と似ている。おかしい。国見くんはタイプじゃないはずなのに。

｢俺から見たってすきそうにみえるけどなーおまえのこと｣
｢ちがうよー、"岩ちゃんは恋愛けーけんすくないもんねー"｣
｢クソ川の真似ヤメロ！女じゃなかったらぶん殴ってた｣

ちょこっと及川の真似をして言ってみたら殴ってたとか物騒なことを言われたので面白おかしくてわらってしまった。岩泉も笑い出す。お前はろくな恋愛してねーだろってゲラゲラ笑いながら言われたので、うるさいと小突いておいた。

｢イヤでも割とマジでお前のこと好きだと思うぞ｣
｢国見くんに聞いてみなよー、絶対違うっていわれる｣

✤
✤

｢ってことで、国見くん、わたしのことすきじゃないよね？｣
｢アンタ昨日の今日でよく俺に聞けますよね、ソレ｣
｢昨日の今日？｣
｢間接キス｣

えっアレ故意だったの！？とビビっていたら当たり前じゃないですかって国見くんが笑った。笑った顔かわい･･じゃなくて！もー、せんぱいをからかうな！
あと好きです、だって。信じられるか！！！ばか！！！