おしえてあげます【国見英】 (ページ6)

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邂逅ページ6

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岩泉からもらった及川のパンを頬張った。うん、おいしい。期間限定塩キャラメルラテをのんだ。うん、おいしい。おいしいおいしい言っていたら、語彙力ないね〜って坂井ちゃんに言われてしまった。ひどーい。

｢あんたはすきじゃないの？国見英のこと｣
｢すきじゃないっていうか、タイプじゃないっていうか｣

わたしと国見くんのことが気になるみたいで、坂井ちゃんはず〜っとわたしたちの事を聞いてくる。
でも好きになりかけたんでしょ〜って坂井ちゃんはにやにやした。イケメンから俺にします？って失恋直後に言われて好きになりかけない女なんているわけないでしょ！

｢国見英のどこがだめなの？話したことないけど、イイコそうじゃん｣
｢国見くんハイスペだもん…、身長高いしー、顔かっこいいしー、運動できるしー、頭いいしー｣
｢ありがとうこざいます｣
｢ぎゃッ！！！！｣

後ろから聞こえてきた声に振り返ると国見くんがいたものだから、思わず叫んだら、うるさい、なんて国見くんに鼻をつままれてしまった。なんで鼻。精一杯睨んだらちょっと笑われて、すぐに離してくれたけど。

｢Aさん俺のことすきなんですか？｣
｢ううん、ちがう、タイプじゃないって話｣
｢アンタ趣味クソ悪いんだった｣

傷ついたんでラテ1口ください。なんて言う図太いこの後輩の顔がかわいすぎて、わたしはラテを渡してしまった。坂井ちゃんがさっきからわたしの手を握ってくる。力強いよ坂井ちゃん･･！
国見くんがラテをゴクリ、と飲んだ。喉仏が動いてる。かわいい顔してるけど、ちゃんと男なんだなって思った。

｢見すぎ。何見てるんですか｣
｢喉仏。国見くんもおとこなんだなあって｣
｢男なので。俺の事なんだと思ってたんですか｣
｢金田一のかのじょ･･｣
｢マジでお前さあ！｣

お前って呼ばれたのは初めてだからソワソワしてたら、なぜか国見くんにデコピンをされた。あんまいたくない。坂井ちゃんに握られた手のほうがいたい。
国見くんは俺岩泉さんに用があるんですってラテを置いて岩泉とちょっとはなしたら出ていってしまった。3年の教室なんて入りたくないよねー。私も一年のころ入りたくなかった。
ラテをひとくち飲む。おいしい。固まってる坂井ちゃんに手をひらひらと手を振ったら、ぱち！と瞬きして口を開いた。

｢･･言いたいことは色々あるけど、Aのそれ間接キスだよ｣
｢キャーーッ！！｣

俺の牛乳パン開けられてるし半分ないんだけど！？と驚く及川が戻ってきてからも、わたしは顔の赤みと高鳴る胸を抑えられなかった。間接じゃないやつ、他の人としたことあるのにね。