おしえてあげます【国見英】 (ページ4)

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おしえてページ4

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｢あっ、｣
｢腕はふらないで、足で、こう、とるんです｣

できるだけふわっと、優しめにボールを投げてもらってるんだけど、横とか後ろとか変なところにしかいかない。国見くんが一生懸命説明してくれてるんだけど、ちょっとよく分からなかった。これでも女バレのマネージャーを3年やってるから、一通り頭では理解してるはずなんだけど。体は違うみたい。バレーって難しい。

｢ちょっと失礼します｣

国見英じゃない、国見でもない、国見くんが、ボールを持ってわたしの後ろにまわった。ボール片手で持てるのスゴいな…。かわいい顔してるけど、身長高いもんね。身長高いと手も大きいのかな。

｢ここにボールがきたら、足で動かしてとるんです｣

距離ちか。国見くんの匂いがする。失恋直後の女ってイケメンにちょ〜弱いんだよ。わたしがイケメン好きじゃなくて良かったね。じゃなきゃ国見くんそっこ〜で食われてたから。教えてくれた通りに練習を進めていたのに、国見くんはむすっと不満げな顔をしていた。

✤
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｢できた〜！！！｣
｢なんでアンタそんなに要領良いんだよ･･｣

国見くんが顰めっ面で言ってきた。敬語崩れてるけど、まあいいか。わたしは体育会系のこと、ちょっとよくわからないから。国見くんはわたしより要領良いけどね！無気力だから要領良いの目立ってないけど！めちゃくちゃ要領いいんだからね国見くんって…。
何も答えずにピースを作ったら、国見くんにほっぺをむにゅって片手で潰された。急いでお礼を言ったら開放されたけど、国見くん手綺麗すぎない？

｢なんでそんなレシーブ覚えたかったんですか｣
｢怒らない？怒らない！？｣
｢はあ｣
｢レシーブ上手くね？！からはじまる恋も良いと思って｣
｢教えなければよかった｣

アンタ失恋したばっかだろってちょっとおかしそうに国見くんが笑った。うん、やっぱり彼の顔は、すきだ。とくに笑ってる顔が。わたしがいくら昼休み寝たフリをして過ごしていたりだとか、机をカタカタして音ゲーの練習をしていたりだとかする、所謂冴えない男子が好みでも整った顔は好きだ。推しと好きな人は別、みたいな。そういうやつ。国見くんのことは推してないけど。
じゃあ、なんて国見くんがボールをそこら辺に転がしてわたしの手を握った。なんだ、急に。

｢そんなに恋したいなら俺にしませんか｣
｢せ、せんぱいをからかわないで！｣

最近やけに国見くんは自分と付き合おうみたいな発言をしてくる。昨日だって俺と付き合います？って聞いてきた。失恋したばかりの脳って、勘違いしやすいんだからね。からかいでも好きになっちゃうこと、あるんだから。