おしえてあげます【国見英】 (ページ16)

今日:17 hit、昨日:2 hit、合計:5,684 hit

逢瀬ページ16

．

｢及川｣
｢な、なに｣
｢ききたいことがあるの｣

_____

坂井ちゃんと国見くんの事についてベラベラ喋っていたら、岩泉が珍しく控えめに恋愛大王･オイカワに聞いてみろと教えてくれた。やさしい。
及川に声を掛けてやってきたカフェ。今日は短縮授業で部活もなし。及川もわたしも、ずっと恋人はいない。こんな好都合なことは無いだろう。

｢おいかわはさあ｣
｢うん？｣
｢付き合ってもないのにキスする男の心境、なんだとおもう｣
｢エッ国見ちゃんだよねソレ！？｣

国見くんのこと言ってないのに･･･！どうして！と言うまえに、及川が咳き込んだ。飲み込んだメロンジュースが変なとこに入ったんだろう。席を立ち及川の背中をさすり、大丈夫？と声をかければ、まあなんとか、と返事が返ってきた。よかった。

｢俺はふしだらな男じゃないんでーわかんないけど｣
｢そ、そうなの｣
｢及川さんのことなんだとおもってるの？国見ちゃんはどう考えてもおまえのこと好きでしょ｣
｢ええ･･ないでしょ、国見くんみたいなハイスペ｣
｢おまえもじゅうぶんハイスペだけどな｣

及川は、趣味悪いって思ってたけど、国見ちゃん選んだのはいいと思うよとやさしい顔をした。そんな顔もするんだ。相変わらず綺麗な造形の顔だ。
そのあとすぐに、俺の方がハイスペだけどねー！！と言われた。そんなの、わかってるよ。

｢心配しなくても国見ちゃんはおまえのことすきだよ｣
｢わかんないよお付き合ってもないのに･･｣
｢あんなわかりやすいのに！？｣
｢すきだからわかんなくなっちゃうんだもん｣
｢もんっていうな｣

クッソ顔がいいから！と及川が何やら悶えているが、褒められているのか貶されているのかわからない。
というか、及川の方が顔がいいと思う。告白されているところもよく見るし。

｢わかった｣
｢な、なにが｣
｢焦れったくてムカつくから今から国見ちゃん呼ぶ｣
｢国見くんは来ないと思う。。｣
｢来させるの！恋愛ド下手だな！｣

ちょっと俺にくっついて！と言われたので、控えめに近付くと、肩をがっしりと掴まれて思いっきり引き寄せられた。ちかい。顔に熱が集まるのを感じている間に、及川は写真を撮った。こんな写真、どうするの･･･。

｢ち、ちかい！はなして！｣
｢ウワー！顔真っ赤｣
｢うるさい･･｣
｢国見ちゃんくるってー｣

及川が画面を見せてくれたので、覗いてみると『そこ離れないでくださいってAさんに伝えといてください』と簡潔なメッセージが。本当にくるんだ。
及川は｢カップルできる瞬間なんて見たくないんでーーー｣メロンソーダ代を残して帰っていった。