おしえてあげます【国見英】 (ページ15)

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言論ページ15

坂井視点．

｢おい国見｣
｢女バレの6番さんですよね？確か、名字は｣
｢坂井だよ。Aとよく一緒にいる｣
｢Aさんがよくはなしてますよ、貴方のこと｣

あたしの幼馴染というのは、本当にかわいい女の子だ。小さくてフワフワしている様子はあまりないけど、忙しなくて顔がとびきりかわいくてやさしい子。
あたしは幼稚園の砂場でこの子と会ったあの日から、何としてもあたしはこの子を守る、と決めたのだ。
なのに。
それなのに。
幾度となくAは悪い男をひいて、その度に傷付いていた。とめられないあたしもあたしだ。でも、Aの｢信仰心｣を否定したくはなかったから。

｢Aにキスしたらしいけど｣
｢はい｣
｢おまえは何を思ってキスしたわけ？弄んでるならぶつよ｣
｢坂井さんは、ほんとうにAさんのことが好きなんですね｣
｢あたりまえ｣

で、どうおもってるわけ。と国見を見つめる。
Aは国見のことをかわいいと言ってたけど、あたしはおまえの方が可愛いとおもう。国見は男だから、どうしても整ってる顔として捉えてしまう。

｢好きですよ。俺もわかりやすいと思ってるんですけど｣
｢Aは勘違いしたくないらしいから好きって言われるまで信じないよ｣
｢まじですか｣
｢マジだよ｣
｢あんな国見くんすきすきすき〜って顔と声してたんで、うっかり｣
｢うっかりでキスすんな｣
｢すみません｣

俺もさすがに脈ナシでキスしないです、あんな鈍感だとは思いませんでした、と国見英が笑う。笑うな。Aの少女さの不器用を笑わないであげて。
でも、ほんとうに、Aはわかりやすい。わかりやすいから変なのばかりつれてくるのだ。あたしは心配。

｢Aには幸せになってほしいから、泣かせたらころす｣
｢極力泣かさないようにしたいです｣
｢やっぱだめだわ泣き虫だからなAは。悲しませたらころす｣
｢それは、もちろん。努めます。｣

頑張るんで。と国見がいう。今回は大丈夫だろうか。Aは。と思ったけど、本来ならあたしが介入するところじゃないんだろうな。
Aは坂井ちゃんだいすきだよいつもありがとうって笑ってくれるけど、本当は、だめなのだ。人の恋愛に首を突っ込むのは、おせっかい。

｢付き合えよはやく｣
｢Aさんなんか悩んでるみたいなんで解決出来たら｣
｢そーいえばハイスペがどうとか言ってたわ｣
｢ハイスペ？及川さんのことですかね｣

いやおまえのことだろ。と言いかけてやめた。付き合ってもないのに親友にキスした罪は、重い。