おしえてあげます【国見英】 (ページ14)

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逢着ページ14

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図書室はいつでも静か。
でも多少の人はいるから、声を潜めて話していれば大丈夫。流石にシュークリームは食べちゃダメだけど。

｢それで何を話したいの｣
｢避けんのやめてください｣
｢ごめんそれはほんとうに悪かった、わたしが･･｣
｢そこまで言ってほしいわけじゃないですけど･･･｣

マジで傷つくので･･と眉を下げて言われる。ほんとに可愛いな顔。ほんとにかわいい。すき、すき、すき。
その表情がかわいくて、よしよし。と頭を撫でてみたら子供扱いしないでくださいって、手を抑える形で抱きしめられた。
なんていうか、近い。

｢あと伊藤って人には近付かない方が良いですよ。伊藤さんを寝取った女子、同じクラスなんですけど｣
｢うん？｣
｢動画、流出してます｣
｢えっ、かわいそう｣

あんなオドオドしてるのにそんなこと出来るんだ。国見くんを前にして身じろいでたくせに。さいてい。
ほんとうに国見くんが近くて、びっくりするくらいのいい匂いと彼に酔ってしまいそう。
どきどきとなる胸と、近くにある国見くんの顔、うわあ、まつげながい。

｢どきどき、いってますね｣
｢いわないで！｣
｢はーい｣
｢う、わあ！なんでキスしたの！｣
｢かわいかったんで｣

触れるやわらかい唇。
ひ、ひどい。乙女の純情をもてあそぶな！！とあかくなる顔とあつい唇や耳が主張している。
国見くんもしかして貞操観念おかしいタイプ？と聞いてみたら頬をつままれた。そんなにいたくはない。

｢なんでもう一回キスするの！！！｣
｢かわいかったんで｣
｢それやだ･･･なにその理由･･｣

うわ、まじであついですね、と国見くんのひんやりとした綺麗な造形の手のひらが、わたしの額におかれる。
もうー！！！！！乙女の純情を！弄ぶな！！！
誰にでもこんなことすんの？この人！！！あーもう！

｢キスするのAさんだけですからね｣
｢余計にわけわからなくなった･･･｣
｢なんで｣

やっぱり弄ばれてる？国見くんの顔がかわいいことといじわるなことしかわからない。やっぱりわたしのことナメてるのかな。
キスするなら付き合って、とは言えない。ハイスペックにはそれなりに見合った人がいると思うので････。

｢国見くんどうしちゃったの？春高予選がちかいから？それとも文化祭が近いから？｣
｢どっちでもないです｣

ええ？どうしちゃったの国見くん･･･。と心配していたら頬をつままれた。キスされたけど一定の範疇を超えたら落ち着いてしまうというやつで、わたしは予鈴と共に国見くんの腕の中から開放された。