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逢着 ページ13



「さ、さいきんより一層かわいくなったよね。アスカちゃんに似てるよ」
「あ、そう・・・・」
「前の子なんだけどさ、やっぱりAちゃんの方が良いかもって・・」

男子にしては低めな身長や、おどおどしているのに自分本位な話し方。小刻みに揺れているところ、上擦った声。
そういうところが、大好きだったはずなのに。
かわいかったはずなのに。 なんか、気持ち悪い。

「や、やめて。」
「なんで?Aちゃん僕のこと一生好きって、言ったじゃん」
「そ、それは・・・」

確かに、言った。言ったよ。言ったけどなんか、言葉のあやっていうか!ジリジリ詰め寄ってくる伊藤くんが本当に気持ち悪くて仕方ない。
国見英という男を知ってしまったから。危惧していたことがおきた。わたしは、わたしに見合った男を好きでいるべきなのに。それなのに。

「わかった・・ちょっと考え」
「Aさん」

一番好きな声で呼ばれたから、思わず振り返る。ほんとうに、国見くんはすぐ後ろから現れる。
校内的地位(スクールカースト)が遥かに高いとひとめでわかるその姿に、伊藤は身じろいでいた。わたしは腰を抱かれているから、国見くんからは逃げられない。
どくどくどく、と鳴る心臓がうるさい。どう考えても修羅場なのに。

「いきますよ、Aさん」
「え、あ、ど、どこに」
「どこでもいいけど話せる場所がほしいです」
「じゃあ図書室で・・」

今二人きりになると、わたしがどうなるかわならないから。なにか言いたそうに揺れている伊藤くんを横目で見た。貴方と話すのはこれで最後かなあ。
一生好きなんて言って、ごめんなさい。と言おうとしたけど、国見くんに手を引かれて言う暇もなかった。

「あんたさあ」
「なあに」
「呼び方はどうしたんですか」
「く、国見くん?」
「よし、もう避けるの辞めてくださいね」

図書館へ向かう途中、彼に指摘された呼び方。
あのふわふわした女の子に呼び出されてから、なんとなく、そう呼んだほうがいい気がして"国見英"と呼んでいたのだ。そうだね、国見くんって呼ぶって言ってレシーブ教えてもらったもんだもん。

「そういえば、昨日の女の子は」
「え?」
「あの、ふわふわした感じの」
「ああ・・・・それ、言わなきゃだめですか」
「や、べつにいいよ。ごめんね」

地雷踏んじゃったかも。眉を下げて謝ると、国見くんは小さくため息をついて、「断りましたよ、ちゃんと」と言った。
おまえの不安そうな顔、見てると俺までつらくなるんで。と言われてすこしときめく。やっぱりハイスペックはちがうな。

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赤羽 - こういう終わり方好きですっっっ!神作品です! (4月4日 7時) (レス) @page17 id: b22b7ccd76 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そあ | 作成日時:2022年12月27日 15時

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