花 ページ4
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また同じ夢を見た。
小さい頃、仲が良かったゆめちゃん・・はなぞのゆめちゃんとの記憶で作られた夢。
定期的にこの夢を見る。わたしが魔法少女になる夢を諦めことを、責めるように。
もともとなりたかった訳じゃない。ゆめちゃんがなろうと言うからいいよって言っただけだった。
小さい頃の夢なんて、引きずっている人が少ないのは知っている。世界はそんな簡単じゃない。みんな夢なんてすぐ変えるから。
当時の私でも魔法なんかないこと、分かっていたのだ。でも友達のいないわたしだから、ゆめちゃんしか友達がいなかったから、断れなかった。ひとりでいることがこわかった、から。
結局ゆめちゃんはおひっこしをしたわけだけど。
まあ、二学期早々、それに始業式中、嫌な夢を見てしまった。
この夢を見るとどうしても昔のことを思い出してしまって、魔法少女を諦めたことへの罪悪感や、友達がいないことへの孤独感がモクモクあがってくる。
大前提として、わたしはもともと友達がいなかった。唯一の友達だったゆめちゃんがおひっこしをしたとき、友達を作れば良かったのだが、
勿論魔法少女がどうこう言ってるひとと友達になりたいわけがなく、ひとりぼっちに。
ゆめちゃんみたいな可愛くて明るい子なら友達が居たかもしれない。だってゆめちゃんは人気者だった。
流石に孤独感に耐えられなくなったので、中1のころ魔法少女のことは諦めたのだが
生憎同じ小学校の子もいたので、あいつには近づかない方がいいと噂を広められてしまい今でも一人ぼっち。
いやでもその判断はただしかったのかも、わたしの話は面白いか？ときかれたら素直に頷けないし、
もんもんと考える中、校長の声が響く。
｢今日は転入生が来ます。仲良くしてあげるように。｣
転校生珍しいな。転校生は居ると言えばいるんだけど、それも一人二人しかいない。いや、私が知らないだけかもしれないけど。
私が知ってる転校してきた人は、隣のクラスの優等生、立花夢乃さん。あと、中等部の三年生にもいた気がする。あの人たちは馴染めてるのかなぁ。わたしみたいに浮いてないのかな？わたしは転入してないのに浮いてるけど。
そう言えば去年、高校2年生の人が退学させられてたし、空きがあったのかな？まあなんでもいいけど。
というか、早く名前を言わないのだろうか。顔を上げたいけど今まで顔を伏せていて突然顔を上げるのは、ちょっと不自然じゃないだろうか。
｢花園優芽です。よろしくお願いします｣
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作者名：そあ | 作成日時：2022年9月7日 20時
