Short Story (ページ13)

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Love At First Sight -2 ページ13

「大丈夫？」
「はい...先輩すみません。俺、大丈夫ですから先に帰って下さい」
「いいから。私も酔っぱらってるから、少し休んでから帰りたいの」
気休めに飲んだウコンはやっぱり気休め程度なのか、それ以上に飲んだのか、後輩はとうとう限界値を超えレストランのトイレにお世話になる事になった。

「むしろ、あれでも潰れない彼らが凄いわ。構造が違うのね」
トイレの鏡を見ると、私もそれなりに酷い顔をしている。
トイレに置かれた時計を見るとAM1時半。早く帰りたい。

「ジョンヒョン？具合どう？」
「.....。」
扉をノックしても答えが返ってこない。

「ちょっと!?ジョンヒョン！ジョン！！」
も、もしかして寝てる!?いくらなんでも扉の向こうの鍵を開けられるわけじゃない。
どうしようか...酔っぱらった頭は簡単にパニックに陥る。

「きゃぁ！あ、ごめんなさい。失礼しました」
勢いよく男性トイレから出ようと扉を開け出ると、ちょうど入ろうとした男性に出くわし思わず声が飛び出る。

「おい、きみ！ここに鞄置いてあるけど！」
「あ、すみません。ちょっと...後輩がそこのトイレに入ったまま出てこなくて、お店の人を呼んでくるんです」
後ろから呼び止める声が聞こえる気がしつつ、必死な私は止まる気もなかった。

店員さんは、こういった事態にも慣れているのか、鍵をどうやったのかは知らないが無事に開け、
丁寧にトイレに座ったまま寝ている後輩と対面する事が出来た。

「ちょっと、ジョンヒョン！ジョンヒョン！！」
身体を揺すると、目をぼんやり開ける。

「あ、あれ...俺..」
まだ半分眠りに意識突っ込んだままの後輩は事態を把握していない。

「ジョンヒョン、今日クライアントの飲み会で潰れたの。分かる？ほら、帰るよ」
「はぁ..い...」
あまり起きる気配のない後輩の腕を肩に回し、立たせる。

「おっもい...ちょっとジョンヒョナ。もうちょっと起きて、お願いだから」
身体を揺すり起こすものの、オンマ...とすっとぼけた寝言しか返ってこない。

「寒いしタクシー来ないし、何なのこの最低の金曜日は...あれ？てか私、鞄は？」
ジョンヒョンの鞄は手に持っているのに、自分の鞄がない。
もう嫌だ、泣きたい。
悪いと思いながら花壇のヘリにジョンヒョンを座らせて、急いでお店に戻る。