In Other Room (ページ10)

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Are U Jealous?　-1 ページ10

いつかこんな光景を目の当たりにするだろう、とは思っていたものの、実際目にするとやっぱり我慢のしようは無いわけで...。

「なぁ、こいつと仲良いの？」
置いた雑誌には、最近Aが出席した授賞式の様子が載っている。

「え？特別に仲いい訳じゃないよ、ただ劇中歌歌ってもらったし打ち上げとかで会ったりはしてたけど」
「この写真、仲良さそうじゃん。肩に手を置いてるし」
「あぁ..。でもこの時、そんなに近くに居た気しなかったよ」
俺が指摘した写真をじっくり見て、素直に返される。

「..こいつがこーんなに近くにいても違和感なかったんだ？微笑み合ってんじゃん」
「なに？その言い方。だってこの時みんな受賞出来て喜んでたし、特に誰が隣りに居たかなんて気にしてなかったもの」
Aは本当になにも気にも留めていなかった様で、子供じみた俺に対してあっさりと返す。

「ふーん...なぁ、警戒心ちゃんと持ってるよな？」
「警戒心!?なんの？」
驚いた様子に、彼女が目を大きくする。

「周りに男いるだろ!?」「いるけど、そんな物好きいないわよ」
食い気味に呆れた口調で言われ、無自覚すぎる表情にちょっと腹が立つ。

「いるんだよ！俺ら世代で人種なんて気にしてるやつらなんて、一握りだろ。あーだこーだ言うのなんて、もう少し上の世代だ」
「人種だけじゃなくて、私達の業界なんて360度見渡す限り美女満載なんだよ？ないない」
何を言っても相手にしない様子で、読みかけの本をまた読み始めてしまう。

そもそもこの隣で肩組んだアイドル、前に放送局でAの事を綺麗だの、あーだのこーだの言っていたのを偶然耳にしてるから余計に気に食わない。

ていうか、このドレスなんで肩の部分空いてるわけ？そこに手を置くアイドルってなんなんだよ。
あぁ、やっぱり気に食わない。

「ねぇ、どうしたの？」
「....」
1人でイライラしている俺を横目に、Aが小さくため息をついて、ソファーを立ってしまう。

「ねぇ、なに怒ってるの？」
肩を叩かれ振り向けば、ドゥが目の前でパペットになって俺に話しかけていた。

「...なんでもない」
「なんでもなくないでしょ？」
ドゥが"なんでこんな事させられてるの"と不満顔にミャーと泣く。

「ほら、ドゥも話してごらんって。」
ドゥは降ろされると、こっちを気にかける様子もなくお気に入りのクッションに座り、"なんで私まで巻き込まれなきゃいけないの"とでも言いたげな顔をする。