In Other Room (ページ4)

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Sweet Nap ページ4

「なぁ、ここにある映画ってジャンルとか国とかバラバラだけど、どういう基準で選んでるんだ？」
DVDラックを見つめる後ろ姿は、相変わらず黒の服。

「んー...もともとヒューマンドラマとか選ぶことが多い気がするけど、好きな俳優さん出てたらジャンルは問わないし...仕事で見たのもあるよ」
「仕事？」
「うん。仕事させてもらう時に、監督さんにどんな映画が好きか聞いて、参考の1つにするの」
「へーなるほどな。Aはどの映画が一番好きなんだ？」
「んー....難しいけど..Driving Miss Daisy好きだよ。結構昔のだけど。モーガンフリーマンが出てる」
「じゃあ今日はそれ観ようかな」
いつの間にか彼専用のマグカップがキッチンに置かれるようになり、それにコーヒーをいれる。

「え。私が仕事してること分かってて、観るの？」
「じゃあ、一緒に観ればいい。お前働きすぎ。今日俺ここに来なかったら、また飯食わなかっただろ」
「...」
お前、と呼ばれる時はそれなりに怒っている時だと最近分かってきた。

「結構片付いてるだろ？仕事。でなきゃ部屋から出てこない」
お見通しだ。オンスケで仕事が進んでいない時は、例え来たとしても部屋から出ずに作業を進める。
まきで仕事が進んでるからコーヒーをいれる、この時間がある。

「まぁ...」
「てことで、これからは仕事禁止」
そう小さく耳元で聞こえると、そっと後ろからお腹に腕が回る。

「ちょ..」
「ん？」
きゅっ、と抱きしめる力が強くなる。

「...コーヒー、いらないの？」
「いる。で、今日仕事もう禁止。わかった？」
私が苦手だと分かっていて敢えて、耳元で言い聞かせる様に囁かれる。

「ーっ！分かった！今日はもうしない」
「ん」
回されていた腕が解かれ、コーヒーを入れていた私の腕に被さるように伸びて、カップを手に取る。

「ほら、観るぞ」
そう言ってもう片方の手は私の手を取って、ソファーまで連れて行かれる。
これまで何人の人とも付き合って、何度も手を繋いだはずなのに、この温もりは今までとは違うドキドキを感じさせる。

2人並んで座って映画を観る。
テーブルには、ジョンウンがカフェから持ってきたケーキ。
私がカフェのケーキの中でチーズケーキを好んでいる事をジョンウンは知っている。