Prologue - white day -2 ページ14
「ちょっと！料理してるんだから危ない！」
後ろから抱きしめると、本気の怒り口調に一瞬ひるむ。
「半日ほっといた罰」
うなじに、わざと音を立ててキスをする。
鼻でうなじを撫でると、いつもの彼女の香りがしてどこかホッとして落ち着く。
「ん...ごめん。ちゃんとするからさ、放して？」
回した腕に手を置いて優しく諭すように話すから、仕方なくもう一度キスをして腕を解く。
それから少し経てば美味しそうな料理がテーブルに並べられ、珍しくそこにシャンパンが一緒に並んでいて、記念日な雰囲気が漂って満足感が増す。
「上手い」
「よかった〜！でも今日、忘れてたんじゃないからね？ちゃんと考えてたの」
「でも全然連絡よこさないからさ、忘れたと思うだろ」
「サプライズ的にやろうと思ったんだよ。慣れてないんだからさ...許して？」
いつもと違う雰囲気からか、なぜだかやけに可愛く見えてほっとかれた気持ちなんて無くなっていたけど、わざと拗ねた素振りを残した。
食器を2人で片づけて、コーヒーを淹れていつものソファーに並んで座る。
バレンタインにちなんで、テレビでは映画の『バレンタインデー』がやっている。
「はい、これ」
「え？」
キャビネットから小さな包みを渡され、まさかの流れで思わずAを見やる。
「気に入ってくれると思うんだけどな」
手のひらサイズの包みを開けると、クロムハーツのピアスが入っていた。
「やばい。嬉しい。ありがとう」
着けていたピアスを外して、貰ったピアスを着けてカメラに姿を映すと、しまりのない顔をしている自分に思わず笑う。
Aの手料理食べて、一緒に食器洗ってAがくれたピアスを着けて、Aが焼いてくれた少し苦めのガトーショコラを前に一緒に映画を見る。
突然やってきた恋人らしいバレンタインの時間に充足感が身体に滲み、横目に彼女を見れば、真剣に映画を見ていて、テレビに目線を戻すと丁度ラストシーン。
橋の上で、花屋の男性が親友の女性にキスをする。
もう一度Aを見つめると、彼女の目線がこちらを向く。どちらともなく近づけば、そのまま引き付けられるように、そのまま唇が重なる。
長く深くなるキスはそのまま...
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バレンタインに書けよ、って話だと思うんですけど、なかなか思いつかなかったんです(^^;)
ホワイトデーへの振りのような書き方したんですけど、まったくそこの話は思いついてないので書けるか分かりません(p_q)←おい
White day -1→←Prologue - white day -1
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作者名：RaiN | 作成日時：2014年10月3日 16時
