In Other Room (ページ13)

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Prologue - white day -1 ページ13

目を開けると、目の前にあどけない顔をして眠るA。
お互いにあまり眠れるタイプの人間じゃないため、Aの寝顔を見れた日はラッキーだ。
今日考えているプランが順調に進みそう。

思い返せばバレンタインデー。期待していない素振りをしながらも正直、内心期待していた訳で、あの展開はなかなかのものだった。

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前の日から続いた仕事が終わったのは12時。宿舎には帰らずにAの家にきて、いつものソファーに寝っ転がって、そこから見える作業部屋を睨む。

もしかして、今日は作業部屋に籠りっきりだろうか...Aの場合うっかり今日がバレンタインって事を忘れている可能性は否めない。
ドゥが俺のそばに寄って来て、「おやつちょうだい」とねだる。
その大きな目で上目づかいをする姿を少しの間じっと見つめ返し、負けてお菓子が入っている箱から取り出してやる。
あげすぎないように、Aから言われていたのに。
嬉しそうな顔をして、満足げなドゥを見ていたら、将来娘が出来たら甘々なんだろうか、とか思ってしまった自分がいる。

気が付いたら寝てしまった様で、時計の針は15時を指していた。特に部屋の様子が変わった雰囲気もなく、期待したバレンタインは迎えられない気がしてきた。

こんな日はペンに愛してもらおう。カフェに車を走らせて、ペン達からプレゼントを貰ったり話をしたり。
ジョンジンから「こんな日にカフェに来てるようじゃ、彼女がいるなんて思えないね」とジョークなのか何なのか分からない言葉を貰う。
時間が経つにつれ、店にくるカップルや腕を組みながら歩くカップルを見て羨ましくなり、ついため息が漏れる。

「Aちゃんのところ、行ってくれば？」
何かを感じ取ったオンマが後ろからこっそり囁く。

数時間前に来た道をまだ同じように辿り、家に着くと窓から明かりが漏れている。
数時間前に1人で寝ていたリビングのドアを開けると、Aがエプロン姿で立っている。

「おかえり。思ってたより早かったなぁ。まだご飯出来てないよ」
「...え？」
いつもとは少し雰囲気の違う、ワンピースを着た彼女に少し緊張して言葉が詰まる。

「ご飯、急ピッチで作るから少し待ってて」
そう言ってキッチンの前でテキパキ動く彼女を思わず突っ立って見つめる。

ワンピース、エプロン、纏められた髪でうなじが覗き、誘われるようにAに後ろからそっと近づく。