In Other Room (ページ2)

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ヌナとチャンミンとネコページ2

あの騒動があって世の中が落ち着き始めた頃、チャンミンが気が向いた時に家に遊びに来るようになっていた。
それから少し、それは突然やってきた。

「Aヌナ、なんて綺麗な猫なんでしょうね」
「....。そうだね、綺麗」
「この雨の中、すぐそこの公園に捨てられていたんです」
チャンミンはそう言って、ジップアップパーカーの中に綺麗なグレーの猫を抱えて、玄関に立ち段差の分私に対して上目遣いで見つめてきた。
絵に描いた様なその姿に戦略を感じるのは私だけだろうか。

「...うん。」
「....寒いから入りましょうかね」
私が期待した反応を返さないからか、突然素に戻った風で勝手に家にあがる。

「ちょっとチャンミン君？その猫さんはどうするのかな？」
私の問いに答えることなく、チャンミンはそのままリビングへと歩みを進めていく。

「タオル、貸してくれませんか？」
「...ちょっと待ってて。」
使い古したタオルを1枚と、まだ新しい1枚のタオルを渡す。

「ちょちょ！そっちのタオルはチャンミンのだよ。濡れてる。」
2枚とも猫用と思ったのか、新しい方のタオルも無条件に猫に与えようとした手を引き留める。

「あぁ..。」
返事をしたものの自分を拭くこともせず、猫を丁寧に拭いている姿に、"ただ可哀想だから拾ってきた"だけじゃない雰囲気を感じた。

「ミルクの方がいいのかな？水でいいの？知ってる？」
パソコンで調べてみても、生後どれだけ経過しているかで与えるものも違っていて、判断がつきそうもなかった。

「少し行ったところに動物病院あるから、そこに行ってくる」
「ヌナ僕も」
「いいよ、そんな背の高いイケメン連れて家から出たらご近所さんに噂されるよ(笑)適当にしてて、何かあったら電話するから」

もうこうなったら、飼うと決めて必要なゲージやキャットフードなどを買って家に帰る。

「お？首輪がありませんよ？さっき色々見てたら、やっぱり猫には鈴が必要らしいです」
「うん、首輪はチャンミンが買ってきてよ。親はチャンミンなんだからさ」
「...はい。」
親心か責任かを噛みしめたようで、子猫を見て重く返事が返ってきた。

やっと落ち着き、自分達に温かいコーヒーを入れる。
猫も温かい所に落ち着き、美味しい物も食べれたお陰で、早速気持ちよさそうに眠る。