つよく、はかない。

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侑李side



やっぱり食欲というものがわかないのか、ご飯を少しおかずを二三口食べて箸を置いた。



「涼介の料理は美味しいけど、無理して作ったのは美味しくないよ？」

「うん……」

「山ちゃん、ちょっと寝てな？」



圭人がそう言うも、考え込んでいる様子。

素直にありがとうって言えばいいのに。



「辛いんでしょ？」

「だって…………」



涼介は何とも可愛いらしい理由を話す。


「寝たら、お買い物行けないでしょ？」


思わず僕も圭人も笑ってしまって。



「な……んで笑うの。」



「そんなのいつでも行けるじゃん。」

「山ちゃんの体調が大事だから今日は行けないけど。」




「帰んないでね。」


そう言い残して目を閉じた。

ほんと、可愛いこと言うんだから。

そんなこと言ったら涼介は「知念のほうが可愛いよ」って言うだろうけど。







「ん……」

「起きた？」

「……へっ？」



ふふ……変な声。

僕の顔がドアップで目に入って驚いちゃったかな？


「あっ…………」


数時間寝ていただげじゃ良くなるはずもなく、まだ少しめまいがするみたい。


「平気？」

「ん……圭人は？」


「さっき薬買いに行ったよ。」

「う……。」



「山ちゃんに薬買いにいかないと！！」ってバタバタ出ていって数十分経っているけど、なかなか帰ってこない。


きっと圭人のことだから、種類がたくさんあって迷っているんだろうな。




「圭人帰って来るまで寝てよ？」

「ちぃも……」

「仕方がないな……」





「山ちゃん！！薬買ってきた……あれ？…ふふふ。」


大きいソファで寝ている僕と涼介を圭人がスマホで撮ったことは知る由もない。




end

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