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侑李side
いつもなら、大貴がお風呂に行く時間。
今は、ココアをいれて涼介が話すのを待っている。
結構、限界まで我慢しちゃうして壊れてしまう涼介がこの段階で話してくれるのは珍しかった。
「あのね……」
ついに涼介が息を吸って話し始めたと思ったけど、下唇を噛んで目をキョロキョロさせて
まだ話すかどうか迷っているみたい。
「涼介、ゆっくりでいいよ。」
大貴がそう言うと本当にゆっくり口を開いた。
「ゆ…め…みる……怖い…やぶせんせ…わかんない。」
「夢……?」
僕が聞き返すと、「昔の夢をみる。」と教えてくれた。
涼介と少なくとも学校では1番いた僕。
だけど、守ってあげられなくて、支えてもあげられなくて、気づいてあげられなくて……。
「俺、今日、薮先生と話したんだよ。」
大貴もだったんだ……ああ、だから驚いたのか。
なんて、1人で納得していると大貴はニコッと笑い
「大丈夫。きっと、大丈夫だよ。」
と言った。
クラスの雰囲気は、正直思ったよりもいい。
マイナスなことを言う人がいても、あの特有のふにゃっとした笑顔で子どもみたいな声でマイナスをプラスにするんだ。
「櫻井先生みたいに、大人な対応じゃないかもしれないけど……なんか、一緒に育っている感じ?」
僕の話すトーンが面白かったのか涼介は口角をあげた。
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作者名:赤兎 | 作成日時:2019年10月13日 23時