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櫻井side
入学式の前日、突然ニノから電話がかかってきた。
「合わせたい人がいる。」と。
その合わせたい人というのが涼介だった。
「ほら、自己紹介。担任になる人ですからね。」
「あ、有岡……涼介……。」
ニノの言う通り有岡涼介は俺のクラスの子だった。
どうして研究者であるニノと知り合い……?
どうして俺のクラスの子だと知っている?
どうしてその隣に大貴と……知念侑李がいる?
数々の疑問が一気に思い浮かんだ。
「ふふっ、色々気になるようですね。」
「当たり前だよ。」
「1つずつ質問をどうぞ。」
ニノに言われた通り、質問をすることにした。
だが、どの質問からすればいいのかが分からない。
「どうして、俺が担任だって分かったの?」
まずはこの疑問に答えてもらおう。
クラスわけについては、極秘情報のはずだ。
「この子の父親に頼んだから。」
ニノは知念侑李の肩を叩いた。
ん?知念…………?
「僕のお父さんは理事長です。」
やっぱり……なるほど、だとすれば簡単だ。
「涼介くんは大貴の弟?」
大貴には、国語を教えていたことがあった。
その時、大貴は中1で今は中3。
大きくなったな……なんて。
「はい、そうです。」
涼介くんに話しかけたつもりだったのに、大貴が答える。
あれ?涼介くんいなくなっちゃった。
涼介くんのことが気になりつつ、最後の質問をする。
「どうして、ニノの知り合いなの?」
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作者名:赤兎 | 作成日時:2019年10月13日 23時