約束～Love Story～数原龍友 (ページ32)

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31 龍友side ページ32

トレーニングが終わり1度

GENEの楽屋に寄ろうと思って

廊下を歩いていたら

誰もいない部屋に水色のファイルが1つ。

誰かの忘れ物かと思い

あとで受け付けに持っていこうと

僕はそのファイルを持って楽屋に行った。

ガチャ

ここにも誰もおらんかぁ

結構な所属アーティストがいる事務所なのに

なぜかやけに静かだった。

なんか怖いなぁ。

はよ帰ろ。

早足で来た道を帰っていたら

ファイルが置かれていた部屋に人がおった。

それは僕の大好きな人だった。

「あれ？ここに置いてあったファイル……」

龍「……もしかして、これ？」

「……」

龍「……Aやんな？」

思わずそう聞いてしまった。

「あ、、それ、です」

Aは僕の質問の返事をしないで

ファイルだけを見つめていた。

龍「なんで敬語なん？僕のこと忘れてしまった？」

こんなこと聞いてAを

戸惑わせるって分かってるのに

聞いてしまう。

龍「あ、いや、ごめん」

相変わらずAは無言で俯いたまま。

その空気に僕は耐えきれずに逃げ出したんだ。

「……ここ置いとくな」

そう言って立ち去ってしまった。

・

・

あんなことで逃げ出してしまって

Aの可愛い笑顔もなくて

それなのに僕はAをもう一度幸せに

できるのだろうか？