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仕事も終わって何度も通る会社の出入り口。
"待ってるから" そう言った彼の言葉が脳内に残っていて。
別に行かなくたっていいのになぜか行かなきゃいけないような気がして。
だけどきっとこれもさっきと同じような違和感なのかななんて思ったりして。
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「まあ、通り道だし」
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そう自分に言い聞かせてはちゃっかりメイクを直した。
行く気満々な自分に苦笑する。
相変わらずコロコロしちゃうなーと思いながらも
誰も止めてくれる人はいないから歩く足は止まらない。
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私が彼に会う事に理由をつけなきゃいけないから、そういうの無しでいつか会ってみたい。
なんて思ったり。彼は友人の好きな人で私の好きな人の友人だ。
…あれ。
もしかして私たちって知らない間に恋の3角関係になっている？
私が海ちゃんを好きで、海ちゃんは真白が好きで、真白は平野さんが好きで。
恋のキューピットは平野さんってわけか。
いやキューピットの格好をしている平野さんは想像つかないし、
想像できたところで似合わなすぎる上に意地悪な彼はきっとそんなことしないよな。
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皮肉にも想像できてしまった私の脳内を塞ぐように頭をブンブン振る。
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『来た』
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以前会社の前で待っていたせいで私が不機嫌になったことを気にしているのか
今回は駅の南口だった。
知り合いだからか、彼が目立つからか、それとも別の何かなのか。
すぐさまに平野さんを見つけてしまった私は、気づいていたけど彼の声掛けで初めて気づいたように装った。
ガヤガヤしている駅前なのに彼の声だけ妙によく聞こえるのはいつものことで。
まるで彼が私に魔法をかけたんじゃないかって疑っちゃうくらい。
私を見てはふわっと笑う彼への気持ちに気づく前に、唇を嚙み締めた。
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『寒い？』
『唇噛んじゃだめだよ』
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当たりは暗いのに、私の些細な様子にも気遣ってくれるから
私の変なところまで見透かしてそうでなんだか怖くなった。
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「帰り道なんで」
『あっそ』
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そう言ったら風が靡くから、乱れた髪を直すように耳にかけた。
だけどまた風が吹くから髪が頬にひっつくから、
そしたら彼がまたふわっと笑って乱れが私の髪を彼の手で耳にかけてくれた。
ドキッと胸が高鳴ったから、ああ気づいてしまったと寂しくなった。
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『これ、飲みたいだろ』
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もも(プロフ) - 私の端末がおかしいのかわかりませんが、４ページ目の紫耀の漢字が紫輝になってます (2021年6月19日 23時) (
レス) id: 573355469d (このIDを非表示/違反報告)
：む ぎ 。(プロフ) - 涼杜兄妹さん» コメントありがとうございます。今後はきっと絵に描いたような生活を送るかと思います(^^) (2021年3月7日 13時) (レス) id: 860fb48182 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - 完結おつかれさまです！好きな作品だったので終わってしまうのがさみしいです。2人がどんな生活をしていくのかが楽しみです♪ (2021年2月28日 20時) (レス) id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shiro.
| 作成日時：2021年1月18日 22時
