検索窓
今日:355 hit、昨日:553 hit、合計:57,368 hit

44 ページ44

.





.




.





高校2年生の体育祭を終え片付けの作業に入った。
先輩達は最後の体育祭を最後まで楽しみたい一心で
いろんな人と写真を撮ったり動画を撮ったりしていた。

1年生は使っていた椅子の片づけで
私たち2年生は本部の片づけを担当していた。




.




「妬いた…か」




.




借物競争が終わった後、浮所くんに言われた言葉。
当の本人は先輩達に囲まれているけれど
言って終わりなんてズルい。
浮所くんみたいに頭良くないから
どういうことか説明してくれないと分からない。

…なんて素直に言える訳もなく。
優実ちゃんには好きをやめない、なんて
大口叩いてたけど実際女の子達に囲まれてる彼を見て
それに参加しようって気持ちになれなくて。
ずっと日陰から1歩踏み出せない。




.





.





「あっかつきちゃーん」




.




作業をしている中、どこからか私を呼ぶ声が聞こえた。
私のことを”暁ちゃん”なんて呼ぶ人はもう1人しかいなくて。
今話しかけられたら周りにどう思われるか…と瞬時に察知して
静かに身を潜めると

「何?かくれんぼ?」

真後ろから声がして、半笑いしながら那須くんがそこにいた。




.




「な、んですか」




.




作業を続けながら那須くんの方へ耳を傾けると
那須くんも私の作業を手伝い始めた。
今日は編み込みをしているから、
那須くんの綺麗な横顔が見えてなんだか変な感じ。





.




「いや暁ちゃん、打ち上げ行くかなって思って」

「うちあげ?」

「そ。今年はみんなでやるらしいよ」




.




こうやって会話しながらも、
私が畳んだ折り畳み式のパイプ椅子を
さりげなく持ってくれる。
そういう所がきっとモテるんだろうなと思った。




.




「あー…わたしは、、、」




.




基本こういう付き合いは大事だと思っているから
誘われたら行くようにしている。




.




「那須くんって、いつも私によくしてくれるよね」




.




那須くんの横顔をみていたら。
気付いたらそんなことを言っていた。

緑化委員だった時から、那須くんは
私に普通に話しかけるし偏見なさそうな態度で接してくれる。




.




「まあ俺優しいからな〜」




.




照れたように笑った那須くん、そのあとにもう一度
”行くの?”と聞かれて、”真美ちゃんが行くなら行く”と伝えた。




.




.




.




『暁』




.




パイプ椅子を片付けようと本部を離れたとき
前方からやって来た浮所くんと鉢合わせた。




.




『今日、打ち上げ終わったら話したいことがある』




.




.




.

45 yuto Side→←43



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (126 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
361人がお気に入り
設定タグ:浮所飛貴 , 那須雄登 , 美少年   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Shiro.(プロフ) - 梨乃さん» 感想ありがとうございます!励みになります、うれしいです!!! (4月10日 11時) (レス) id: 5a97038d8f (このIDを非表示/違反報告)
梨乃(プロフ) - ものすごくキュンキュンしました!続きが楽しみです^_^ (4月8日 8時) (レス) @page36 id: 5cceb5056f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Shiro. | 作成日時:2024年2月26日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。