17 hidaka Side ページ17
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だけど現実はそんなに甘くは無くて。
那須の隣にいた彼女は俺を見てすぐ、目を逸らした。
自分が勝手に舞い上がっていたって分かってる。
久しぶりに会えて。しかもまさかこんな所で会えるなんて。
あの頃の続きをどう話そうか。
そんな事ばかり考えていたせいか、
余計に目を逸らされたことが悲しくて。
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あの時は”ひだかくん”って呼んでいたのに、
久しぶりに名前を呼んでもらったら”浮所くん”って。
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告白したわけじゃないのに、
フラれた感じ。
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あの日から変わらない想いは
あの日から変わってしまった彼女には、届かない?
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『ん、え、なんでこうなった?』
「ん?」
『え、だからさ、この公式に当てはめてって言ったよね?』
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また彼女に会える理由を探していたけれど、
彼女の壊滅的な脳みそのおかげか、
こうやって同じ空間を過ごす時間が出来た。
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「っあ〜!!そうだった………」
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最初は目も合わせてくれなかったから
警戒されてるのかと思っていたけど
話していくうちにほんの少しだけ、
心を開いてくれてるような気がして。
もっと彼女を知りたいと思うと同時に
俺の事も知ってほしいと思った。
きっと彼女は俺が無口で冷静な人って思ってるかもしれないけど
実はそんなことなくて。
今すぐにでも顔をうずめたいし、ぎゅーしたいし
そんな事ばかり考えている。……だって俺だって男だし。
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”うーん”と頭を悩ますキミが愛おしい。
好きな人目の前に、手出さない方が不思議だ。
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『ふはっ、ちょっと休憩する?』
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普段なかなか関われない彼女と過ごす放課後。
毎週、火曜日と木曜日。
家庭教師……なんて。人に教えられるほど頭良くないけど。
窓から指す夕焼け。
頭を悩ますキミ。
机に広がる参考書。
少し居心地の悪いかわいらしい部屋。
全部全部、どこもかしこも俺にとっては特別なんだ。
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「休憩…します!」
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いつか君の名前を
誰よりも多く呼ぶ存在になれますように。
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Shiro. です。
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Shiro.(プロフ) - 梨乃さん» 感想ありがとうございます!励みになります、うれしいです!!! (4月10日 11時) (レス) id: 5a97038d8f (このIDを非表示/違反報告)
梨乃(プロフ) - ものすごくキュンキュンしました!続きが楽しみです^_^ (4月8日 8時) (レス) @page36 id: 5cceb5056f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Shiro. | 作成日時:2024年2月26日 22時