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「ちょっと待ってよ」
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こんなの、ありえない。
まさか。まさか私が。なんで私が！？
男の子と目を合わすのですら難しいこの私がなんで…
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(どうかした？私たちお料理教室行かないとなんだけど)
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左手首に着いている時計を見てお母さんは言った。
いやいや、家庭教師だなんて…ドラマみたいな。
ってかそんなに私頭悪くないし、やればできるし。
勉強だって続ければきっと出来るようになるし。
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「ほ、ほら浮所くんにも迷惑かかるッ、『俺は別に』」
「え？」
『俺は別に、やってもいいけど』
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な、何を言い出すんだこのイケメン。
今のは、顔がいいからって許される言葉ではない。
浮所くんを見ると思った以上にスンとした表情だった。
そうか。そうだよね、浮所くんくらいカッコよかったら
女の1人や2人……勉強教える事なんて珍しくないもんね。
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(まあ！よかった！)
(飛貴、頼むわよ〜)
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嬉しそうに笑みを浮かべて、
��それじゃ、いってきます��と2人仲良く
リビングを出ていった。
何となく私もついて行って、玄関で2人を見送る。
(私、Aちゃんなら良いからね)
と、意味深な事を言われたけれど
気づかない振りをしておどけて見せた。
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ガチャり、と扉が閉まって。スーッと息を吸った。
リビングへ戻ると、ソファに座っていた彼に話しかける。
「あ、あの、うちの母がすみません」
「か、家庭教師だなんて、あははっ」
「迷惑ですよね、私から言っておきます」
ほぼ、1人の会話。一方的だ。
彼は私の目をジッと見て動かない。
何を考えているのかも分からない。
見られているのもしんどい、でも逸らせない。
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『なにを？』
「えっ」
『何を言うの？』
「あ、えと…家庭教師をやめるって」
『なんで？』
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ッつ、、、
言い返せなくてごもっていると
浮所くんは立ち上がって私の前に立つ。
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『俺は別にいいって言ってんだけど？』
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何故かニヤリと笑う彼。
今思えばこの時がきっかけで
世界が美しく見え始めたのかもしれない。
こんな日常に、他愛もない日々に、殺風景に。
ありそうでなかった景色が広がる。
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「そ、そうだね」
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そして私は彼に了承をして
彼は私の家庭教師をすることになった。
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Shiro.(プロフ) - 梨乃さん» 感想ありがとうございます！励みになります、うれしいです！！！ (4月10日 11時) (
レス) id: 5a97038d8f (このIDを非表示/違反報告)
梨乃(プロフ) - ものすごくキュンキュンしました！続きが楽しみです^_^ (4月8日 8時) (レス) @page36 id: 5cceb5056f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shiro.
| 作成日時：2024年2月26日 22時
