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大事な話は、声だけじゃ
心は伝わらない気がするから。
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メールじゃなくて、電話じゃなくて。
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やっぱり会って伝えたい。
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そう思ってしまえば、会いたくて仕方がなかった。
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「たいへんたいへん！」
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中間テストも終わり、この前の数学の小テストも帰ってきた今日。
一気に点数の確認には、かなり心臓に悪かったけど
赤点は前より1つ減ったし、小テストもギリギリだけど合格点だ。
それをどうしても浮所くんに伝えたくて。
伝えたいって気持ちが強すぎて気が付いたら校舎を歩き回っていて。
見つけてどうする？
声をかける？
そんなの考えられないくらい、
今の私の気持ちは大きかった。
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「おお！」
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曲がり角を曲がろうとした時、誰かとぶつかりそうになった。
体感はまだ緩んでなかったみたいで、
ぶつからず見事に避けることが出来た。
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「暁さんじゃん、」
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”どうした？”と私に目線を合わせるように屈む那須くん。
探すのに夢中だったせいか、息が上がってる。
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「いや、なんでも。」
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手に持っていたテスト用紙達を後ろに隠す。
気づいた那須くんは少し悲しそうな表情をして
”あっちにいるよ”と指さした。
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でも、行くのをやめた。
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「も〜飛貴くんったら〜」
『うるせーよ』
「今日も行ってもいい？」
『ああ』
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行くのをやめた、というより
足が動かなかった。
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「暁さん？」
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様子が変な私に声をかける那須くん。
………ばかみたい。
まってまってこの状況、どう考えても私、おかしいよね。
家庭教師なんて、お母さん同士が決めたことで。
浮所くんはそれに従っているだけで。
私が勝手に仲良くなったって思っているだけだった。
ほんとは全然そんな事なかった。
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「あ、ううん。なんでもないっ、」
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そういえば、浮所くんって女の子をとっかえひっかえしてるとか。
噂話あったよね。忘れてた。ああ、そうだった。
って、なんで私、悲しくなってんの？なんでこんな気持ちになってるの？
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「やめよう、」
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また恋をしても傷つくのは私だ。
きっとこれは浮所くんを好きだと、のちに気付くもの。
私には、気づいたらダメなんだと分かる。
浮所くんにだって迷惑がかかる。
やめよう。
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大きく息を吸って、空を見上げた。
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Shiro.(プロフ) - 梨乃さん» 感想ありがとうございます！励みになります、うれしいです！！！ (4月10日 11時) (
レス) id: 5a97038d8f (このIDを非表示/違反報告)
梨乃(プロフ) - ものすごくキュンキュンしました！続きが楽しみです^_^ (4月8日 8時) (レス) @page36 id: 5cceb5056f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Shiro.
| 作成日時：2024年2月26日 22時
