またね。【狗巻棘】《完結》

１６話 ページ16

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『え、母さんと父さんが…………死んだ？』




五条先生からの伝言だった。

私は五条先生の言葉に何度も驚いた。







あんなに元気そうだった両親が死んだ。

急だった、とてつもなく急だ。









私の頭に内容が入ってこない。


なんで死んだの？








……私を見守るって、自分たちも死ぬってこと？？









何それ、意味わかんない。




『母さん、父さん、何か言ってました？』








「……見る？」




五条先生が持っていたものは遺書。

父さんと母さん、ふたりの字だ。






私は実物を触れない。









五条先生が気付いてくれたみたいで、遺書の中を見せてくれた。


その遺書にはたった３文。

















_____私達も歳なのね、でも辛くもなんともない。_____



_____ずっと愛してる、A_____








_____母さん、父さんより_____









何それ、遺書でも何でもないよ。

歳、って何、まだ若いでしょ。






……死んで欲しくなかった。









「悲しい？」




当たり前の事聞かないでよ。

最愛の両親が死んで、こんな遺書読んで。








悲しいはずなんてない。









『やだ、死んで欲しくなかった……ッ！』





こんなワガママ、私、言えたんだ。

きっとこのワガママは私の本心からの言葉だろう。






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