参拾参話 ページ3
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鈍い音が響く。
そして、赤黒い液体が飛び散る。
私の口からは苦い液体。
赤黒い色をしていて、私は膝を着いた。
善「やだッ、Aちゃん!!!」
私の後ろから善逸の声が響き渡る。
上弦の零はニタニタと気持ち悪い笑みを浮かべていて。
『大丈夫、待機命令、守ってね』
私はその合図と共に、呼吸を使った。
「そんな簡単な技、ボクには当たらないよぉ?
ほら、傷負ってるんだからさぁ、大人しくここで死んでねぇ??」
『っち、理屈になってねぇよ』
善「あ、ぅ、Aちゃ、ん??」
『善逸、先に下山して』
善「は、!?出来るわけないでしょ!」
『早く!!』
善「絶対やだ!それだけは聞かない!!
俺のせいでAちゃんが死んだりするのは絶対やだ!!」
『……はぁ?私が死ぬわけないでしょ』
また、呼吸を使う。
「ねぇねぇ、そんな余裕そうに話してていいのかなぁ?
ボクの毒、さっきのかすり傷程度の技で君の中に入ったみたいでねぇ?
ソレ、早く抜かないと、死に至るよぉ?」
善「え、ちょ、Aちゃん!?!?
そんな中、一人にできるわけ、無いでしょぉぉぉ!?」
『っ、なんでバラすんだよ』
「えぇ?ばらした方が面白いでしょ♪」
面白い?はっ、笑える。
こんな話題に面白みとかねぇだろ。
善「Aちゃん!!」
『うっさいなぁ、…………。
大人しく、下山してろよ』
善「ひっ、」
「おぉ〜、怖い怖い!怒ったァ?」
『……怒ってるよ、最初から。
お前にも、善逸にも。』
善「えぇ!?!?」
「あは、おもしろぉい!!」
『善逸、下山!』
善「ひ、ぅ、や、だ!!」
めんどくさぁ、……とっとと下山して欲しいんですけど。
「そぉんなに、ボクも待ってらんないなぁ??」
ドクッ、
『うッ!?』
善「Aちゃん!?!?」
「ほぉら、早くしないから。
毒が周り着きかけてる。
あと数分もしない限りに、君、死ぬよ?」
善「そん、な、」
『毒で死ぬくらいなら、お前と一緒に死んだ方がマシだ』
「ハハ、君、面白いねぇ?
でも!そんな調子も、もう終わりさァ」
『お前も、だろ』
私の目の前に、上弦の零が現れる。
っくそ、出遅れた。…………死ぬ。
私は、ゆっくりと目を閉じた。
「ばいはぁい」
どかぁぁぁん!!
その場に、大きい音が響き渡ったのだった。
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夜宵 - 夢主さんいつも明るいけど少し暗い過去を持ってるんですね。更新頑張って下さい! (2021年6月15日 23時) (レス) id: 02079f421c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飴(椎茸の花) | 作成日時:2021年5月30日 21時