参拾弐話 ページ2
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「ん?君、ボクの妹チャン?」
超明るい声。
私のお兄ちゃんは、そんな声じゃなかったのにな……
なんで鬼になんかなるのよ。
なんで、よりにもよって上弦の零なんかに……。
『鬼のお前が私の兄?
はっ、ふざけんなよ。
お前が鬼になった時からお前と私は赤の他人』
「あれぇ?でもさっき、ボクの妹だって叫んでたよね?
ボクの妹チャンだよね?」
『違うって言ってんでしょ』
イライラする。
こいつを見てると、何故か、イライラする。
イライラしたくてしてる訳じゃない。
こいつを見てると昔と重なって。
優しいお兄ちゃんが汚されていくみたいで。
私の昔を汚されて、イライラする。
『それより、早く戦闘体型入ったら?
お前、今から私に頸斬られるってのに、余裕こいてんじゃねぇ』
イライラする。
「人の話は最後まで聞けって!」
イライラする。
『お兄ちゃんの声に戻すな』
イライラする。
「ふふ、余裕こいてるのは、どっちかなぁァァァァ??」
イライラする。
……余裕こいてるのは、私の方だね。
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夜宵 - 夢主さんいつも明るいけど少し暗い過去を持ってるんですね。更新頑張って下さい! (2021年6月15日 23時) (レス) id: 02079f421c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飴(椎茸の花) | 作成日時:2021年5月30日 21時