愛とアイ、どっちが欲しい？【 狗巻棘 】《完結》

２話 ページ3

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まだあの言葉が耳に残る。

実はさっき、……。






帰っ、てきた、ら、ご褒美、……くれ、る？






と言われたのだ。

ご褒美って何すればいいの……。









『あー、わかんない！！』



「分かんないって、何が？」








真後ろから声がする。

この声、あの人だ、高身長で目隠しの。







『さ、悟！？』



「A、珍しく悩んでるね〜」









『悟、ご褒美って何をしたらいいと思う？』



「ご褒美？
んー、相手が喜べばそれでいいと思うけど」









『相手が喜ぶ……あー、ますます分かんない！』



「ふむふむ、相手は棘かな？」







いやこの人すごいな、エスパーッスか？









『棘って何したら喜ぶの？』





「それは勿論、ご褒美はわ･た･し！って言えばいいのさ」









………………。









『そんなの、できるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！』






「うわっ、もう耳元で叫ばないでよ」









いや、棘がそんなので喜ぶわけない！！

喜ぶ……わけ、ないよね？









「棘は喜ぶと思うよ？」




『だから人の心を読むな！』









「声に出てたけど」




『マジですか』







「マジです」




『悟の耳切ってあげるね』









「いやなんで！？」




『もう悟うるさい』








えぇ、なんて項垂れる悟。

そんなテンションでいられると調子狂う。









『棘って本当に何喜ぶんだろ、おにぎりとか？』





「定番すぎない？やっぱりご褒美は……、」









『うっせぇだまれアホ！！身長地味に高い黒アイマスク！』





「これアイマスクなの！？！？」









「なわけないよね」




『踏んずけてやろうか』






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